1歩踏みだし ページ36
Aside
やけに静かになった、リビングを横目にやらなければいけないことを黙々とやりすすめる。
確かに……
言い過ぎたかもね……
セキナさんに後で相談しよう…
何をって？
仲直りする方法。
俺、1度不快に感じると相手に嫌味しか言えなくなるんだよな…
親父がそんなやつだったせいで、運悪く、受け継いじまったってわけ。
きっと、雇う人間違えたって思っただろうな〜…
子どもだと思ってっからだよ。
こう見えてしっかりと大人なんだ。
こんな初日に、イザコザ起こすのは想定の範囲外だからな。
後々、めんどくさいことにならないうちに対処しなきゃ。
……どうせ1週間の仮の姿だった。
俺には、殺し屋が似合うってことが改めて分かったんだ。
あいつらには申し訳ないが、実験台になってくれてありがとよ！
……なんか…心に穴が空いた感じがする……
どうすれば、この穴を埋められるの？
俺は穴の塞ぎ方を知らない。
いつも不安で、誰も殺されないように…
警戒ばかりしていたら、友達とも会えなくなった。
残る友達はCOBRAのメンバーだけ。
でも、あいつらと喧嘩することなんて年1程度だし、すぐ仲直りしちゃうから仲直りの方法なんて覚えてない。
それほど狭い世界を生きてきた。
それ以外の世界を知らないまま、誰かに殺されてしまうんだろうなと思ってた。
でも、どうやら違ったみたい。
こんな立場に立たされないと気づかないことって意外とあるもんだな…
謝って……みるか…
畳み終わった服どもに別れを告げ、共有リビングへ初めの1歩を踏みだした_
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作者名：青兎月 | 作成日時：2021年2月28日 16時
