ストレートな愛を花束に (ページ8)

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A 「好きな食べ物は、何だろう」

『ねぇ〜さっきから何にも分かんないじゃん』

そう突っ込まれても

A 「本当に好きなことも好きな食べ物も
ないかもしれないです」

本当に私には何もない .

自宅と職場と行き来して

『じゃあ俺がAさんの好きなこと探す』

A 「ありがとうございます」

そんな私の目の前にいるのは

芸能人で

そして私を好きだと言う .

『ずっと聞きたくなくて隠してたんだけど』

いきなり目線が外されたかと思えば

恐る恐る話し出す .

A 「はい？」

『 ... 彼氏、いる？』

私の表情を伺うように

上目遣いで見てくる .

A 「いるって言ったら、どうしますか？」

そんな彼に意地悪心でそう聞くと

『ダメだって分かってるけど諦められないかも
それくらいAさんが好きだなって思う』

何てチョコレートよりも甘い

答えが返ってきた .

A 「ふふ」

思わず可愛いって思って

笑ってしまう .

『ねぇ、何？
てかいるのいないのどっち？』

A 「いません」

そう言うと

『良かった』

くしゃっと本当に嬉しそうに

笑う彼 .

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