ストレートな愛を花束に (ページ5)

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繋がれた手をほどかなかったのは

さっきの笑顔にやられたからだろうか .

『ここです、... あっ』

振り返った彼が

繋がれた手を見て驚きパッと離した .

温もりが引いた手を

寂しく思うのは何故だろう .

『すみません、無意識に繋いでたみたいで』

A 「いえ、大丈夫です」

彼は私と繋いでいた自分の手を見て

またふにゃんと笑った .

...
......
.........

『嫌いなものとか食べられないものは？』

A 「大丈夫です」

個室に通されメニューを広げられたここまでで

彼について分かったことは、

店に入る前に扉を開け私を入れてくれて
レディーファーストが出来るということ

名前は〝いわもと〟さんだということ

そしてサングラスと共に当たり前につけられていた
マスクを外すととんでもなく強面で

『適当に頼んじゃいますね』

だけどとんでもなく笑った顔は可愛くて

そして気遣いが出来る人だということ .

『そうだ、アルコールは？』

A 「飲めなくて」

『じゃあ俺も今日はやめとこうかな』

アルコールの書いてあるメニューを

名残惜しそうにたたむから

A 「気にせず飲んでください」

そう言うと

『ん〜、じゃあ次は飲みます』

なんて次もあるかのように言った .

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