無愛想な君② (ページ47)

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SG side

涙するAを落ち着かせた後、疲労困憊だった俺たちは各自の部屋に戻った。

すぐに布団に入ったけど、疲れているはずなのに久しぶりに怒り狂ってテンションがおかしいせいか、全く
眠れる気がしない。

目を閉じても頭に浮かぶのはAが涙を流す姿。

並大抵のことではへこたれないAでも、今回の件に関しては相当なダメージをくらっているはずだ。

それに、俺もけっこう怒鳴ってしまったからな…
落ち込んでるかも。

そんな反省も込めて、Aの部屋の前に来てみたけれど、なかなかドアをノックすることができない。

うーん、どうしたものか…

SG「うわぁ！！びっくりしたぁ！」

「あれ、ユンギ。どうしたの？」

急にドアが開いたと思ったら、Aが平然と出てきた。

なんだよ、俺の心配を返せ…

と一瞬思ってしまったけれど、よく見るとAの目が赤くなっているような気がする。
部屋でも泣いていたのか？

SG「まだ起きてたのか」

素直になれない俺は、こんな事しか言えない。

「眠れなくて。ユンギは？」

SG「俺も、まぁそんな感じ。あ、ココアでも飲む？作ってやるよ」

内心焦っているのを隠して、そんな提案をしてみた。

SG「ほら」

「ありがとう」

ココアを飲みながら、Aを見てみる。
青痣になってしまった目元。
これは、しばらく腫れるだろうな。

SG「怪我はまだ痛むか？」

「少しね。でも、顔だけで他は大丈夫」

SG「そうか…」

あの状況で、これだけの怪我で済んで良かった。と今なら思える。もっと大怪我していてもおかしくはないし、酷い目にあわされていたかもしれない。

そう思うと、また沸々と怒りが湧いてきた。

「ユンギ、本当にごめんね」

Aの弱々しい声で現実に戻される。

なんて顔してんだよ…今にも泣き出しそうな顔しやがって。

SG「もう…気にすんな。俺も怒鳴って悪かった。それに、Aだって俺たちのこと守ろうとしてくれたんだろ？結果こうなったけど」

そう言うと、Aは一度だけ目元を指でなぞった。

「ありがとう」

SG「おう」

Aが俺たちを守ろうとしてくれたみたいに、今度は俺たちがAを守っていかなければならない。

もう、俺たちに「裏」も「表」もなく一緒なんだから。

あ、なんか良い詞が書けそうだ…