無愛想な君② (ページ43)

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JK side

あの男が警察官に連れて行かれた後、俺とAヌナはマネヒョンが運転する車で病院に向かっている。

隣に座っているAヌナを見ると、顔の痣と胸の辺りまで開いてしまったシャツが目に入る。

話しかけようとAヌナの肩をトンと軽く叩いて呼ぶと、ビクッと大きく身体を跳ねらせた。

あの男の言葉が頭に浮かぶ。

くそっ………

JK「ヌナ、これ着て。俺はこの下にTシャツも着てるから」

「ごめん…ありがとう」

何か言わなきゃ…

そう思っていても、上手く言葉が出てこない。

本当は「大丈夫だよ」って肩を抱いて安心させてあげられれば良いんだけど…
きっとそれが必要だ。

でも、触れられる事に恐怖を感じているヌナに何もできなかった。

病院に着いて、それぞれ怪我した部分のレントゲンを撮った。

俺の手は殴りすぎて腫れているだけで、幸い骨折には至らなかった。

Aヌナの目の周りも、打撲ということで骨には異常はないみたいだ。

マネ「手続きしてくる。ちょっと待ってて」

JK「わかった」

夜遅いという事で、ほとんど人通りはない。
薄暗く、静かなロビーにあるベンチに2人で座る。

ふと包帯と湿布が巻かれた自分の手を見る。

あの男を殴っている時、怒りが抑えられなかった。

Aヌナに何をしようとしたんだ。
Aヌナを傷つけるんじゃない。

その感情でいっぱいで、無我夢中で男を殴った。

他の事は考えられなかった。

今思い返すと、その時の自分が怖い。
相手を大怪我させるとか、まったく考えられなかった。

もし、ジミニヒョンのヌンチャク攻撃がなかったら…俺はあの男が死ぬまで殴り続けていたかもしれない。

「ごめんね、ジョングク。こんな怪我させて」

JK「えっ？」

ガンガンと痛む手をAヌナの手が包み込んでくれる。

「本当にごめん。痛むでしょ」

JK「いや…これくらい平気だよ」

笑って見せるけど、Aヌナの眉毛は下がったままだ。

「ジョングク達が来てくれなかったら、もっと酷いことされてたと思う。ありがとう。本当に感謝してる」

あぁ、そっか、俺はこの人のこと守りたくて仕方がなかったんだな。

ヌナのお陰で、少し気持ちが楽になった気がする。