無愛想な君② (ページ4)

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ボイトレを終えて事務所を歩いていると、休憩スペースにあるテーブルにぼーっと座っているキラキラヘアーを発見した。

後ろからゆっくり近づいて見えたのは、フリーズしたパソコンの画面。そして、これまたフリーズしたA。

しばらくその様子を見ていたけど、うんともすんとも音を立てない。

え、この子生きてる？

JN「わぁ！！」

「(ビクツ)あ、ジン…びっくりさせないでよ～」

JN「その割にはリアクション低っ！！椅子から転げ落ちるくらいしてくれないとー」

少し肩を跳ねらせただけのうっすいリアクションだったから、注文をつけたら「ごめんごめん」と表情を緩ませた。

やっと笑った…

まぁ、これも笑ううちに入るのかどうか…
最近、練習中はしかめっ面だ。

JN「何してたの？パソコンフリーズしてるみたいだけど…」

「次の仕事の書類作ってたんだけど、固まった。もうダメだ、この子。」

JN「次の仕事ってどんな感じなの？」

「来週から1週間日本でバックダンサーの仕事」

JN「え、日本帰っちゃうの…」

「そ。1週間だけどね」

そうか、すっかりAはウチの事務所専属のダンサーという気になっていたけど、３ヶ月のフリー契約だった。他で仕事をすることもあるんだよな。

なんか、嫌だな、それ…

「どうした？」

JN「いや、何も」

そんなことを本人に言えるはずもなく、パソコンの画面に向かうAを見つめる。

最近ため息をついたり、ぼーっとしたり小さなミスをする事が増えたA。

ふと頭に浮かんだのは、EXOのアルバムに挟まっていたベクヒョン先輩からのメモ。

Aは連絡したのだろうか…

今までとはほぼ変わらないライフスタイルだけど、Aの元気がない理由があるとしたら、あのメモなんじゃないか？

JN「AっていつからEXOペンなの？」

「うーん…デビューした時からかな」

JN「へぇ～そんな前から！どこが好きなの？」

「ダンスもボーカルもトップレベルだし、彼らは凄く努力してここまで来たから。そんな姿がかっこいいと思って」

まるで昔からEXO先輩達のことを知っているみたいに話しているように感じる。

Aはいったい何を悩んでいるんだ？
EXOとの関係は？

臆病な俺はこれ以上何も聞かかとができなかった。