無愛想な君② (ページ20)

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個人での仕事を終えて、夜遅くに宿舎に帰ってきた日のこと。

リビングのドアに手をかけると、何人かの話し声が聞こえた。

セフン「え！Aヌナに会ったんですか？」

久しぶりに聞いたずーっと会いたいと願っていた人物の名前に、思わず手が止まる。

ベク「連絡先Vに渡してもらった話はしたよな？あれから全く連絡よこさなくて。痺れ切らして直接家に行ってきた」

チェン「ちょい待ち！なんでAの家知ってんの？」

チャニョル「Aの噂聞いてから、1回だけ防弾少年団の事務所に張り込みしたんだ。それは不発だったけど、その帰り近くでAらしき人を見つけて尾行したってわけ」

スホ「危なっかしいな…」

シウミン「それで、元気だった？」

ベク「髪切って全く雰囲気変わってましたけど、変わらずあのままです。頑固で、愛想なくて」

セフン「酷い言われよう」

D.O「で、どんな話したの？」

ベク「今は防弾少年団に3ヶ月間って契約でついてるらしい」

シウミン「へぇ！凄いな！！」

ベク「で、ここからが重要…なんで黙って俺たちの前から消えたか、ばっちし聞いてきた」

ベッキョニヒョンから聞いた話は、更に俺の心を抉った。

なんで気づいてやれなかったんだ。

いや、Aヌナが痩せていって、会うたびに心ここに在らずという感じになって…

そこまで俺は気づいてたのに、あと一歩なにもしなかった。

1番Aヌナの事を守らなきゃいけなかったのに。
1番、近くにいたのに…

俺の話も聞かないで、勝手に離れていったAヌナを恨んだ自分をぶん殴ってやりたい。

D.O「あのヌナがそんなことしてたなんて…」

セフナ「Aヌナに謝りたいです。」

チャニョル「なぁ、俺たちも会いに行ったらダメ？めっちゃ会いたいんだけど」

ベク「Aは俺たちの所に戻らないって。でも、それは勝手に消えた後ろめたさからだと思う。俺たちがまたAを迎え入れる準備ができたら会えるだろ」

チェン「今度はちゃんとAを守るよ」

D.O「ジョンインには言う？この事…」

スホ「黙っておこう。ドラマの撮影中だろ？集中できなくなる」

あの、バッチリ聞こえてますけど。
正直、事実を知って辛い。でもまたAヌナに会えるかもという希望は持てた。

ガチャ

スホ「うわぁ！ジョ、ジョンイナ！おかえり！」

カイ「ただいま」

早く会いたいよ、Aヌナ。