無愛想な君 (ページ45)

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ベクヒョン side

それからだいぶ時間が経って、今日はセフンとバラエティ番組の収録。

休憩中楽屋を出るとVと遭遇した。

久しぶりに会って世間話で盛り上がっていると、防弾少年団についているダンサーさんの話になった。

どうやらそのダンサーさんは俺たちのファンらしい。

サインくらいなら書いてあげられるかな…

ベク「名前は？」

V「Aです。」

ベク「え…A…？」

ずっと会いたいと願っていた人の名前がぽんっと出てきて思わず手を止める。

やっぱりV達のところにいるのか？

待て、落ち着け。

もしかしたら違うAかもしれない。

Vにお願いして見せてもらった写真には、汗だくになりながら踊るショートヘアーの女性が写っていた。

この前コンビニで見かけた女性だ。

耳には青いダイアモンドがついた星のピアス。

この目つきを知ってる。

このピアスをあげた人も知ってる…

Aだ

急いで楽屋に戻って鞄に入っていた俺たちの新しいアルバムを引っ張り出す。

ベク「セフナ！紙とペン持ってない？」

セフン「あるけど…そんなに急いでどうしたの？」

セフンから紙とペンを受け取ると、大きく俺の携帯番号を書く。「Aへ。絶対連絡しろ」とメッセージも添えて。

セフン「A…え、ヒョン！どういうこと！？Aって、あのAヌナ！？」

ベク「後で詳しく話すから」

とりあえずメモを俺のページに挟んでVに託す。

Aは頑固だから、実際に連絡をくれるかは正直わからない。

でも、わずかな望みをかけて…

ちゃんとAに届きますように。