無愛想な君 (ページ43)

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ベクヒョン side

デビュー前からお世話になっているダンサーのヒョンに久しぶりに会った。アメリカにダンス留学していて、今は一時帰国中なのだとか。

『そういえば、Aこっち帰ってきてるんだって？』

ベク「え？そうなんですか？」

『聞いてないの？』

ベク「ヒョン、その話詳しく！！」

『アメリカでAに会った時、今度こっちで振り付けの仕事するって言ってたからさ。てっきり知ってるのかと思った。仲良かっただろ？』

「最近は連絡とってなくて」

それからヒョンは何かを察したのか、それ以上聞いてこなかった。

Aとは同じラインで仲が良かった。向こうはダンサーという立場だったけど、相談に乗ってくれたりダンス練習についていけなかった時は練習に付き合ってくれた。

なのに、あいつは勝手に消えた。

親友だと思ってたのは俺だけだったのかと何度もあいつを恨んだし、今でもAが俺たちに何も言わず去っていったことに納得していない。

あいつならAの居場所を知ってるはず…

ベク「ハナ、ちょっと」

ハナ「どうした？」

ベク「A帰ってきてるんだろ？」

ハナ「…知らない」

ベク「とぼけるな！ハナにならあいつも連絡するはず。どこにいんの？」

ハナ「だから知らないって！ベク、一旦落ち着いて…」

ベク「何が落ち着けだよ！連絡しても返事よこさないし…俺の気持ちにもなってみろよ。ちゃんと会って話したいんだよ。もう一回。」

ハナ「………ある事務所と3ヶ月間契約したんだって。今度の歌謡祭のパフォーマンス任されたらしいよ。言えるのはそれだけ」

ベク「そうか…ハナ、ありがとう」

宿舎に帰ると、すぐもう1人の親友にハナから聞いた事を報告した。

チャニョル「あ！俺良いの持ってる！」

チャニョルが持っていたのは歌謡祭に出演するグループ名が書かれた進行表。

GOT7、SVENTEEN、iKON、BTS……

チャニョル「Aのことだから、きっとBTSだと思うな。なんていうか、BTSはAの好きなジャンルだよね」

ベク「明日オフだよな。夜事務所張り込みしてみる？会ったら誘拐して事情聴取だ」

チャニョル「ナイスアイデア！！」

ベク「この事はとりあえず俺たちだけで止めておこう。」

チャニョル「そうだな。ジョンインが知ったら、大変なことになる」

A、お前のせいでいろんな人がヤキモキしてるんだよ。待ってろよ。絶対探し出してやる。