無愛想な君 (ページ5)

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ただ踊ることが大好きで、がむしゃらにダンスのことを1番に考えて生活をしてきた。

両親は一般就職をして欲しかったみたいだけど、どうも私にはスーツを着て就活というのができなくて…

それに、もっと自分が持ってるダンスの技術を磨きたかった。

両親に我儘を言って、貯めたお金を握りしめてアメリカにダンス留学をした。

ダンスの本場、為になることばかりだった。

日本に帰国してやっとダンサーとして活動できる場が増えてきたと思ったら、とある韓国の芸能事務所の方からスカウトされた。

PD「防弾少年団のダンスアシスタントをしてみませんか？」

正直なところ、しばらくK-POPに触れていなくて防弾少年団って誰？って感じだったし、アシスタントってなんだ？って疑問だったから乗り気じゃなかった。

けど、振りを考えているメンバーのサポートだったり、大きな歌謡祭で披露するダンスパフォーマンスの振り付けを担当させていただけるということは魅力的で、心動かされた。

何より、7人の歌やダンスがかっこよすぎて…
この人達に関わらせてもらえたら、自分がレベルアップすると思ったから話を受けることにした。

ということで、フリーという形で事務所と契約。

韓国語は日韓ハーフだから不便はない。後は住む家だな…実家は日本にあるし…

PD「住む家探してるんだっけ？」

「はい。いずれは日本と韓国を行き来して活動したいので、とりあえずホテル住まいにするか短期間契約できるところを探そうかと」

PD「なら、良いところがあるよ。セキュリティーもしっかりしてるし、家賃も半分こっちで負担するから」

「え、いいんですか？助かります」

短期間のしかもフリー契約というのに、手厚い待遇で怖くなってしまうくらいだ。

PD「実はまだメンバーには君がサポートに入るとは言ってないんだよね。今カムバをしてバタバタしてるし、落ち着いてから紹介しようかな。あいつらにもサプライズということで、しばらく君の口からもこのことは黙っておいてね？面白くなりそうだから」

「はぁ…」

面白くなりそうとか、PDニムの考えていることはよくわからない。

歌謡祭で披露するパフォーマンスのコンセプト決めだったり、やることは山ほどあるから事務所にいてもしばらくメンバーに会うこともなさそうだ。

こうして、私の韓国での生活が始まった。