無愛想な君 (ページ23)

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「あれ、ない」

昨日つけていたピアスが片方ない。それを今気づくなんて…自分は馬鹿か。

ある人から貰って大切にしていたピアス。
気持ちが不安定な時とか何かに挑戦する時とか、無意識にそのピアスを選んでいて、ここ数ヶ月はずーっとつけていた。

真ん中に青いダイヤモンドが小さくキラキラしている、星型のピアス。

それが片方しかないなんて…
なんだか身体半分なくなったみたいだ。

こんなテンションで仕事に行きたくないけど、あいにく今日は防弾少年団さんとダンス練習。あー行きたくない…

JK「あ、Aヌナ！おはようございます！」

「あ、ジョングク。おはよう」

JK「…なにかあった？元気ないけど…」

「いや、なにも。今日も頑張ろう」

JK「はい！！」

ジョングクに心配かけてかけてしまった。ダメダメ。気を引き締めて頑張らなければ。これは仕事。
仕事に私情を持ち出すな。

「ちょっと休みましょう」

とは思ってるものの、気持ちはなかなか戻らなくて
無意識に耳たぶを触ってしまう。

友人に言われたのだけど、私が落ち込んだり何か考え事する時のクセらしい。

SG「今日どうした？体調悪い？」

「いや…なんで？」

SG「なんか…いつもと違う気がする。働きづめだったからさ。体調悪いんだったら早く切り上げた方が良いのかと思って」

「ちょっとね。でも、大丈夫。ありがとう」

SG「そう？辛くなったら言えよ。あれ…今日はいつものピアスじゃないんだな」

「え？」

SG「いつも星型のピアスだったじゃん。会うたびそれつけてたよな。綺麗だったから覚えてる。今日は違う気分なの？」

「実はどっかに落としたみたいで」

SG「まじか。ずっとつけてたくらいだから、大切にしてたんだよな？そりゃ落ち込むわ～」

気持ちをわかってくれたユンギの言葉に涙が出そうになる。

SG「あ、そういえば…テヒョナー！！」

V「はい！」

SG「お前昨日Aの忘れ物渡し損ねたって言ってたよな？あれ、なんだったっけ」

V「あぁ！そうだった！今持ってくる！」

忘れ物？何かしたっけ…

V「これ！Aヌナのだよね？いつもつけてたから」

Vの掌にあるのはキラキラ青く輝く星。

「あー！！これ！これ私の！！良かったぁ…」

思わずVの掌ごとぎゅーっとする。

「ありがとう、本当にありがとう」

V「ど、どういたしまして」

ぽっかり空いていた心の穴が一気に満たされていくようだった。