無愛想な君 (ページ16)

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「今日はここまでにしましょう」

JN「疲れた～」

私も疲れた。今日は丸一日ダンスの練習。彼らのダンスはトップレベルだし、男性。私が振りを教えるはずなのに、逆に鍛えられている気がする。

それに、今日は精神的にもやられた。

ほとんどのメイクさんやスタイリストさんは優しく接してくれるんだけど、あの人は何が気にくわないのか会うたびに嫌味を言ってくる。

仲良くさせてもらってるメイクさんから聞いたところによると、メイク道具の発注や管理を担当しているアシスタントさんらしい。

メイク「ジョングクにヌナって呼ばれるのは私だけでいい」

ただの新入りいじめなのか？と思っていたけど、
その一言でわかった。

どうやら、私の立ち位置が気に入らないらしい。

だが、そんな事を言われても仕方がない。
私がしていることは、あくまでも「仕事」なのだから。

待てよ。もしかすると、ジョングクさんの恋人なのかもしれない。

だとしたら、ちょっと言い過ぎてしまった。
申し訳ないことした。あまり関わらないようにしよう…

ジョングクさんに嫌われてるっぽいし、ちょうど良い。

JK「Aさん、ここの振りわからないです」

「……………」

JH「え、グクどうしたんだ？」

JN「さっきまでいつも通りだったのに…」

SG「おい、呼ばれてる」

「え、わたし？」

SG「お前しかいないだろ」

JK「Aさん」

「あ、はい。ここはですね…」

まさかジョングクさんの方から話しかけてくるなんて思わなかった。
どういう風の吹き回し…

JK「こうですか？」

「はい。もう少し左脚前に…」

RM「おーい、もう2人で練習して1時間だぞー。俺たち帰ってるからなー」

「あ、私たちも終わりますか？」

JK「いや、もうちょっと…」

それから30分くらい続けて、とうとう限界がきた。

「あー、もう足動かない。ジョングクさん、だいぶ良くなりましたよ」

JK「ありがとうございます。すみません、練習に付き合わせちゃって。というか、なんで俺には敬語なんですか？あ、ジョングクって呼んでください。グクでも良いです」

「は、はい」

JK「まだ敬語…まぁ、良いです。俺もAヌナって呼んで良い？」

「うん…」

数時間で何が起こったのか。今までの事が嘘のようにキラキラの目で見つめてくる。

ま、眩しい。

距離を置いた方が良いという危険信号がピコピコ点滅し始めた。