無愛想な君 (ページ15)

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JK side

「少し休憩にしましょうか」

振りを合わせて2時間ほどが経ったところで、やっと休憩。

男の俺たちが床に倒れこんでバテバテなのに、Aさんは息を少し整えると振りを確認し始めた。

あの人、本当に女…？

ヒョン達は打ち解けてきたけど、未だに2人きりで話したことがないし、ヌナって呼べていない。

悪い人じゃないっていうのはわかってるんだけどな…

そんなことをぼーっと考えているとAさんの姿は既に練習室から消えていた。

JK「飲み物買ってきますね。」

…………

メイク「ほんっと調子に乗らないでよね」

「はぁ…」

近くで聞こえる女の人の話し声。一方は酷くイラついていて、もう一方は至って冷静。

面倒なことになると思いつつも、ひょっこりはん的な感じで覗いてみる。

メイク「最近防弾少年団についてるみたいじゃない。笑わせないでよ。あんたなんか所詮短期間の使われものでしょ？兎に角、調子に乗らないでよね」

「いや、調子に乗ってない…」

メイク「生意気な態度ね！！あなた何ライン？」

「92Lineです」

メイク「私は94Line。あんたみたいなおばさんが彼らに近寄るなんて許せない。私が1番近くにいたのに…ジョングクにヌナって呼ばれるのは私だけで良いのに」

げ、あのメイクヌナだ。しばらく姿を見ていなかったけど、久しぶりに会ったら目が完全に危ない。

Aさん、キレそう。

「そもそもなんですけど、私ジョングクさんにヌナって呼ばれたことないですし。たぶん嫌われてます。私は自分の仕事があるから彼らと仲良くさせてもらっているだけで、仕事がなければただのファンですよ。関わることなんて無いです。
あなたは何ですか？彼らをかっこよくさせるという仕事があるのに、それよりも彼らに近づくことが重要なんですか？なら、早く違う場所を探した方が良い。彼らはそんな下心に惑わされないし、いつまで経ってもあなたのことを認めてくれないと思います。」

す、すごい…よく一息でこんなん言えたな…

メイクヌナの目にはうっすら涙が。

メイク「うるさい！本当にムカつく！痛い目に合わせてやる！」

「はぁ、私なんかしたー？」

ズカズカと去っていくメイクヌナの後ろ姿を見ながら溜息を吐くAさん。

Aさんには申し訳ないけど、さっきの言葉を聞きて安心したし、嬉しかった。この人なら信用できる…

ちょっと心を開いてみようか。