私は＿＿＿の神…【神々の悪戯】【ロキ】

2#3 ページ12

あの後、ゲームをしたり皆と話したりして
かなり楽しい時間を過ごした
調子にのったからなのかかなり疲れてしまった為
私は今、外に出て夜風にあたっていた
ちなみに今日は綺麗な三日月…

｢綺麗だな…｣
｢そうですね｣
｢うわっ!!｣

夜空を見上げ三日月を見ながらそう呟くと
後ろから声をかけられた

｢月人さん…驚かさないでください…｣
｢驚かせるつもりはありません｣
｢…そうですか…｣
｢……｣
｢……｣

いやいや無言は辛いよ?
月人さんは三日月を見上げ
こちらに見向きもしない
そりゃそうか…
月人さんって日本神話の月の神だったけ?
…まぁ私も一応月の女神だけどね…

｢A･ヴァナディースの月の女神としての
仕事は何をしているのですか?｣

そうきたか…

｢私は主に月を隠す役目｣
｢隠す…?｣

月人さんは"わからない"という顔をしている
まぁ普通そうだよな…

｢ほら、北欧はヴァンパイアとかが
冬の象徴だから月が綺麗に見えると
奴等が動き出すって言う言い伝えがあるの
それで私が月を綺麗に見えないようにして
奴等の動きを鈍くするってわけ｣
｢そういうことでしたか
理解することができました｣

月人さんはどうやら理解力が高いようで…

｢今夜は凄く月が綺麗だから
ここが祖国だと私は隠さなきゃいけない…
月には何の罪もないのに…
月だって自分の少しでも美しい姿を
見てもらいたいはずなのに…｣
｢辛いですね｣
｢そうだね…月が可哀想…｣
｢いえ、A･ヴァナディースがです｣
｢え?…｣

私には月人さんの言っていることが
全く理解出来なかった
月が辛いならわかる
でもなんで私が辛いの…?
なんでそう感じたの…?

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