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黄色い菊 ページ1

お菊「十兵衛さん!」

大きな声で名を呼ばれるのは嫌いだな…

十兵衛「おう、嬢ちゃんかい」

ちょっと嫌そうな顔を見せると

頬を膨らませて鼻を鳴らす

お菊「フンッ!せっかくあいさつに来たんですよ?」

彼女は表の甘味処で働く看板娘
石沢菊。みなはお菊と呼ぶらしい

十兵衛「朝から元気で何より、俺ァ昨日の晩からずっと打ってるぞ」
お菊「またまた〜十兵衛さん見た目よりお若いんですから〜」
十兵衛「何ほざいてんだか…」

大きな声で名を呼んでもいいのはこいつだけ
コロコロかわっちまう表情は華やかでまるで・・・

お菊の店はいつも繁盛してる

お菊「ちょっと、聞いてくださいよ!まぁたあのお客来たんです!!」

こそこそと隠れてじっとこちらをみる。こけた頬、ボロボロの歯。
獣のような目でこちらばかり見てくる客...

気持ち悪い

十兵衛「どうせ団子でも買いたいんじゃないか?」

お菊「ち、違いますよぉ!!」
十兵衛「ビビりだねぇ〜?」

十兵衛さんはそうやって茶化してニヤニヤと、か弱い女の私に興味もないみたいな


―――――――――――

今日の晩はやけに冷える、手が冷えたら感覚がなくなって金打すらできなくなる。

今夜も・・・


―――――――――――

冷えた町には灯りがぽつんぽつんと
小さな音にも敏感に風が吹く

お菊「今夜は随分寒い、風邪でもひいちまうよ…」

ザザッ

・・・来た

「オイ...いるんだろ...」

......ドンドンドンドンッ!!!!


アァ、うるさい・・・・・・十兵衛さん・・・


昼間に来たあの客は今日も扉をならす



「おいおい、店はもう閉まってるぜ?」

「ッ!!・・・・」

ほら来た、愛おしい彼が


十兵衛「・・・」
お菊「ごめんなさい...また、助けてもらって...」

涙を流す彼女の顔がまるで・・・


十兵衛「偶然来ただけだ、寒いから鍋でもと思ってな。」

そうやって今夜も言い訳を

私に会いに来てくれたんでしょう?


十兵衛「・・・泣くな」

そうやって涙を拭う

どうして冷たいの?


お菊「ありがとう・・・」


今夜もまた会いに来る


どうして

―――――――――――――

「あの娘・・・」

「そうそう、旦那と喧嘩して旦那が出てったて。」

「一人で店をやるのはねぇ、でもこの辺でうろうろしてるらしいし...」

「しかもその向こう側の鍛冶屋なんて・・・ね?」

「奥さんが亡くなったんですって、ややこもいたらしいわよ?」

「あらァ、お気の毒に」

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設定タグ:和風 , 悲しい恋愛   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:シマノアキラ | 作成日時:2017年10月19日 4時

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