76 助けて ページ33
降谷零side
目の前に広がる血、紛れもなく、それは俺の親友、ヒロから流れていた
ライ「裏切りには……制裁を持って応える……だったよな……」
ライはそう言って、銃弾の跡があるスマホを投げた
その音はやけに遠くから聞こえた気がした
降谷「スコッチ……？」
ライ「後始末を頼んでいいか？俺はジンに報告してくる」
ライはそう言って階段を降りていった
随分長い時間たったような、ほんの数秒のような
俺は弾けたようにスコッチに駆け寄った
降谷「おい、スコッチ！スコッチ！！……ヒロっ！」
ほんの僅かに、ヒロの左手の指が微かに動いた
降谷「ヒロっ？！」
俺はヒロの左胸に耳を当てる
トクトク……
心臓の音がする……
ヒロは、まだ生きてる……！
急いで病院に――
俺はスマホを取り出して、ハッとした
どこに電話をするんだ？
警察か？消防か？
どちらを呼んでも騒ぎになる
後に組織の誰かにバレて、俺の潜入は無意味となるだろう
どうしたらいい、どうしたら……
――まあ、いつでも連絡寄越せよ――
脳裏によぎった、2年前、萩原の病室で、彼女、Aが言った言葉だった
――お前らが大変危険なことをしてるのは、大体のことで察するが……。連絡に返事をしろとは言わない、強制もしない、ただな……私にしか頼れないことは、後先考えずに頼れ、お前は賢いから、後から何とでもカバーできるだろ――
俺はAに電話をかけた
夜遅く、深夜を回ってたのに、遠慮なんてしないで
《もしもし》
いつもの変わりないAの声に、自然と涙腺が緩む
降谷「ヒロが……ヒロが！撃たれて……心臓は動いてて……場所は！」
《降谷、落ち着け、場所、言えるか？》
降谷「――のビルの屋上」
《車、出すから、お前は諸伏を抱えて降りれるところまで降りろ》
そう言って電話は切れた
俺はヒロをゆっくり背負ってスマホを拾う
ポタポタと赤い血を垂らしながら
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 395人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぱすた(プロフ) - なにこれ続きがめっちゃ気になるぅぅぅうう！！！めっちゃ面白いです！！！好きです！！！更新無理せず頑張ってください？！？！！ (2022年5月16日 20時) (
レス) @page12 id: 287f0ed476 (このIDを非表示/違反報告)
*柑橘類*＠馬鹿同盟(プロフ) - 素敵な作品ですね！更新楽しみにしてます。 (2022年5月16日 19時) (レス) @page12 id: dcab7e85b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：k-n | 作成日時：2022年5月15日 15時
