*004 岡田side ページ7
三宅「ねぇ、岡田、岡田んちの親ってどっちくんの?ひろしだからお父さん?もう来てる?」
にやにやしながら健くんは振り返ってきた。
健くんの席は俺のひとつ前で、よしくんの提案で入学して早々席替えした。
健くんがキラキラした目でいつも僕に話しかけてくれるから、学校行く気なんてひろしに言われなかったら無かったけど、楽しい。
それによしくん、いや、いのっち(笑)こと井ノ原先生は初めに不安そうな僕を見ていきなり「いのっちでいいよっ」って言ってきた。
それに対して「じゃあよしくん」っていった俺も俺だけど
やんちゃな先生だと思ってたけど実は優しいなよしくん。
席替えもくじで決めたと言ってたけど、相性の合った人で固められていて良い席構成になってる。
人の見る目があるんやな、よしくんほんま頭ええなあ。
三宅「ねぇ、岡田?」
岡田「ん?あーひろしはお母さんかな、まだ来てないよ」
三宅「ええ!?ひろしで女?!」
岡田「でもお父さんにもなってくれると思うで((のほほん」
健くんはギョッとした目でこちらを見ている、なんか間違ったこといったかな、でもひろしはお母さんだよ、本当に優しいんだもん、そして僕が守るんだ、
だってひろしは僕のせいで――
三宅「岡田あ、それってまさかオne」
―キーンコーンカーンコーン―――キーンコーンカーンコーン――
―起立っ礼っっ着席――――
――お願いしまーす――
「えぇ、じゃあLHRをはじめます、
本ジつのテーマは、ぇ、エット アレーー,!ゴニョキニョ…」
ガラッと静かにドアを開ける音がした。そのしなやかな手でそっとドアを閉める。着なれていない感じのスーツを羽織っていた。
2、3人の保護者がその男のあまりの若さにヒソヒソとざわついた。
その人はキョトンとした顔で当たりを見渡し、僕を見つけるとその優しい顔でふわりと微笑んだ。
ああ…間に合ったんだ、ありがとう…。
僕も口元をスゥーとあげて前を向いた。
「僕、頑張るねん」
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作者名:みりん | 作成日時:2016年8月27日 9時