【言葉のいらない瞬間】5 (ページ47)

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*216 坂本side ページ47

岡田「でもな、だったらまあくんは何なんや？まあくんいったやん、ひろしに救われたって、あれは、俺とひろしが出会う前やで、俺関係ないで」
坂本「それは、何かの偶然だろ」
岡田「まあくんそれはおかしいで、無駄ないって言ったやん。偶然なんてありえへん」

確かに俺がかかわってきた長野はいつも俺を助けてくれた、一緒に戦ってきたと思っていた
だから戦友。
俺にとっては戦友。
でもあいつはいつも俺には話さないで何でも一人で決める。
そして居なくなろうとする。
消えてしまったあいつを見つけたとき、あいつはボロボロだった
俺たちには本当の意味で頼ってはくれない
俺たちのことはあいつには見えてない
そう思うんだ
俺が倉庫に連れてかれたときも、そのあとも、そのあとも。
なんで俺にそこで声をかけたのかはわからないけれど
でも、あいつは結局誰も踏み入れさせようとはしてくれない
まじになるってお互いがぶつかり合うことだと思ってる
あいつはいつも嘘をつくんだ
それがまじなのかよ
それは俺はまじだと思えない

坂本「わからねえ、あいつのことなんかわかんねえけど。今あいつが揺れてるのは確かだよ、なんか変わった、あいつ変わった、でもまじじゃねえ」
岡田「まあくん…」

岡田は椅子からちょこんと降りて椅子を長机にしまった

岡田「何かごめん。こんなこと俺らが考えたって何の意味もないのに、ひろしがまじになってくれたらって俺、焦りすぎてた。何かごめん」
坂本「岡田…。俺こそ、大人げねえこと言って悪かった」
岡田「…」
坂本「なあ岡田？でも何か、長野のやつさこのまま押せばガチになるんじゃねえか？まだ俺らはあいつにとってはただの取り巻きでしかないかもしんねえが、てか俺はそう思ってる。でも、少なくともあいつのことを大切に思っている奴らがいんだろ、５対１(５vs１)ならきっとさ」

そう、俺らはV6。
だから、俺は信じてる、いつか長野が正直な想いで偽りなく俺たちとかかわってくれるのを。

岡田「俺さあ、ひろしには笑っててほしいんや、ごまかしのない笑顔で」
坂本「俺等ならできるさ長野を見失いようにこのまま見守ろうぜ」
岡田「そうやっ、俺がとやかく言うことじゃないよね、剛くん健くんたちにはなるべくひろしのことは言わん」
坂本「そこはお前の好きでいいと思う」
岡田「…まあくん」
坂本「岡田、長野に遠慮する必要はないんだ」
岡田「遠慮なんか…」