【言葉のいらない瞬間】5 (ページ35)

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*205 岡田side ページ35

岡田「あ、ありがと。あのときな健くんのお母さんが入院したらてっきり健くんは剛くんちに泊まると思ってて、でも実際はよしくんちに泊まったやろ？」
剛「ああ、それで。…俺の母さんは父さんが不倫してたことすら知らねえよ。とにかく、会うなって言われて俺は会わないようにしてたんだけど健のやつが俺は自分の家族だからだれが何といおうと家族だからって訪ねてきて家出直前までとそのあとから今までをこっそりあってたわけ」
岡田「何で家出したん」
剛「こそこそあってた約一年半のうちに健がどんどん変なこと言うからあいつと母さんを引き離そうと思ったんだよ」
岡田「変なこと？」
剛「父さんが病死するより俺の方がよかったのかなってあいつ言ったんだよ。意味わかんねえだろ。馬鹿だろあいつ。だから、俺はあいつと家を出た」
岡田「健くん…」
剛「あいつの母さんが可笑しくなったのは家出から帰ってきた後すぐだ。停学中あいつの母さんはお酒が入るとあいつのこと息子として扱わなくなっていた。自分の夫として扱ってたんだよ。健はさ、自分が家出したせいとか言い出して、馬鹿だろ、んな分けねえのに。それから母さんを守ろうとあいつは決めた。」
岡田「…」
剛「そしてあいつから自分を責める言葉も父親の話も聞かなくなった。そのかわり酒に対する恨みがあいつの中で膨らんでいった、あいつの母さんは酒を飲んでないときは普通だったんだ。だから余計に酒を恨んだ。だから授業参観の時も本当は母さん来てくれるんじゃないかってすごく期待してたんだよ。母さんに愛されたいって」
岡田「俺、健くんのこと何も知らんで、変なこと言っちゃった。だからあの時あんなにも起こったんや」
剛「なんだよそれ、岡田のせいじゃないだろ」

俺は健くんを遠足に誘うために中庭に読んで一緒にご飯を食べたことを思い出した

“健くんバイトは？家事は？”
“バイトはうちらの高校進学校だし、禁止じゃん、家事は母さんが遅いときするけど…”
“ほらね、決して使用人扱いされてるわけでもない、むしろお母さんがぎりぎりかもしれないけど生活費を稼いでくれてる、健くんのお世話をしている、健くんが大切だから、必要だから”

何がほらねや！最低や俺

“そんなの、はったりだよ、なんで岡田にわかるんだよ”

あの時健くんは俺に背を向けてすごく怒ってた
そのあと俺は自分の話押し付けて…本当何しとんねん！