【言葉のいらない瞬間】5 (ページ16)

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*186 健side ページ16

健「んんんん…」

俺はまぶしい光に思わず目を開けた
視界がぼやけてあまりよく見えない
体を起こしてから目をこすると朝日を浴びて体中から太陽の光を浴びてそれを放っている人がいた

井ノ原くん…？

「ああ、健。おはよう、よく眠れたか？」

こっちに振り向いたその人の声はとてもさわやかだった
光からそれるとその人の顔がはっきり見れた

健「ん、坂本くん？！」

坂本くんは軽く笑って俺がまだかけている布団を思い切りはいだ

坂本「何だ、健？もう起きるだろ？」
健「え、あ、うん、」

あ、そっか。昨日は坂本くんの家に泊まったんだった
そして、井ノ原くんと岡田とは…

坂本「ほら、健。そんな顔してないで早く飯にすっぞ」
健「あっ、長野くんは？」
坂本「んなんだ健。覚えてないのか、ご飯食べ終わった後家に帰っただろ、まあ健、眠そうだったかんな」
健「そっか。長野くん、ちゃんと家に帰ったのかな、プチ家出中だって言ってたし。ねえ、野宿とかしてないよね」
坂本「大丈夫だろ、なんたって剛が岡田んち訪ねたときに長野とちょうど会ったっていうし」
健「え？剛？坂本くん今剛って言った？」
坂本「あ、やべ、ああっとその」
健「ねえ、剛が何？」

―ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

坂本「あ、健。そこにご飯おいてあっからもってけ」
健「え？もってけってどういうこと？ちょっとお！！坂本くんっ」

坂本くんは急いで玄関口に向かった

健「えー。もってけってことは今食べちゃダメなのかなあ」

玄関先から坂本くんの声がしてきた

坂本「健―ちょっと来いっ」

健「えっ何！？もー、坂本くんなんだよ。」

俺は仕方なく足を玄関に進めた
誰が来たんだろ…
こんな朝早くに
時計を見ると10時を指していた

「おう。」

玄関先にいたのは顔なじみのあいつ

健「剛。何で…」
剛「行くぞ健。外で待ってっから」

剛はそういってドアを開けて外に出た

健「ちょ、剛！！行くってどこに！？」

訳が分からずに後ろを振り返ると坂本くんが俺の荷物とおにぎりをもって渡してきた

坂本「ほら、行ってこいよ、健。」
健「え？行くって…」
坂本「ほら、早く」

坂本くんはドアを開けて俺のことを促した
開けた先には壁に手をつき空を眺めている剛の姿があった