【言葉のいらない瞬間】2 (ページ48)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:37,911 hit

*081 坂本side ページ48

不良4「お前の父さん撲殺だろ、あー怖え」
不良5「俺らも殺されちまうかも、さっさと殺ろうぜ」

俺はこうして何度も何度も殴られて蹴られた

不良6「先輩、もういんじゃないすか、死んじまいますよ」
溝安「ああ、俺らは人殺しじゃないからな、いくぞ」

俺は咳き込んでコンクリートの床に動けないでいると出ようとしていた先輩が振り向いた

溝安「これで終わりだと思うなよ」

先輩たちが去っていったあとに飛びそうな意識を何とか保ちその場から移動しようと体に力をいれて引きずるようにして床に手をついた

コツコツコツコツ…

また、先輩たちが戻ってきたのだと思い身構えた
そこにいたのは黒服のサングラスをかけたヤクザらしき男たちだった

男1「あの社長のぼうずの後を着けてたら、お前だったのか、あのぼうずはあの金庫の中身の重要さをいまいちわかっていないからおかしいとは思ってたんだ、おい、鍵はどこにやった、あの情報が手にはいればこちらがかなり有利にたてる」

男は笑って俺の首根っこをつかんで持ち上げた
他の仲間に俺の体をチェックさせパーカのフードの中に手を突っ込んだ

チャリｯ

男1「あ？だせ、そこだ」

フードを裏返しにすると床にﾁｬﾘﾘﾝという音をたて鍵が出てきた

え？なんだこれ、さっきまで無かったのに…俺、知らねえよ

男2「ぼっちゃん、こんなところに隠してたのー？わっかりやすぎだよ�・もっと大事にしなきゃね�・」
坂本「な、なんだよそれ、俺、しら、っうぐ」

足の長い男に蹴られた
俺は朦朧とする意識で今日の出来事を考えていた

男1「おい、コイツをてきとうにそこの機械の中にぶっこんどけ」
男3「始末でいいんですね」
男2「当たり前だろばーか、ぼっちゃんごめんね�・そういうことだから、でもね？悪いことしたら罰が当たるんだよ�・」
男1「いいからさっさと始末しろ」

男たちはケラケラ笑いながら俺を掴み、ごみの山の側に置いてある錆びたクレーン車の前を通りすぎた

このまま殺されるのもいいかもしれない…どうせ、俺の人生なんてろくなもんじゃないんだから…

男は倉庫の奥のもう使っていないそのままになった焼却炉の前にたどり着くと俺をそこに投げ入れようとした

そのとき、どこか、聞き覚えのある声が聞こえた

これは死を覚悟した俺に対しての問いかけだったのかもしれない…

「いいのかな�・それで」