【言葉のいらない瞬間】2 (ページ46)

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*079 坂本side ページ46

坂本「金はどうでもいい、長野博だよな、聞きたいことがある」
長野「そうです、長野です。恐喝は止めたんですね坂本先輩」

覚えていた。
覚えていてこの態度なのか…
今度こそ逃がさない
こいつは何者なんだ

坂本「長野、お前、何で」

後ろから声をかけられて話は途切れてしまった
嫌な気持ちで振り替えるとそこには俺の不良友達の真久下がいた

真久下「よお、坂本ぉ、お前今、そんな奴とつるんでるのか、弱くなったなあ
そうそう、明日溝安先輩が１時にいつもの倉庫に来いって言ってたよ、来たら許してやるってよ」

長野は真久下と話している間に居なくなっていた

一体誰がこんな噂をたてたんだ

悔しい思いから犯人を探そうとしたが一人じゃなにもできなかった

許す気なんてねえだろうな、きっとボコボコにされるだろう
行かなかったら行かなかったでめんどくさいことになりそうだから行くしかない
もう、何度も俺じゃねぇって言ったのに誰も信じなかった。真久下だってこないだまでは一緒に仲良くしてたのに。ダチだと思っていたのに。あっさり噂に振り回されてこれじゃ、俺のみかたなど誰一人いない、

いや、最初からいなかったのかもしれない

ただの不良集団でしかなかったのかもしれない
それでも信じていたのに

もう、俺はどうなったってよく思えてきた

これがただの財布が盗まれた事件だと思っていた俺は明日、倉庫に、元廃棄物処理所に向かうことにした。