検索窓
今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:37,916 hit

W.A 決心編*073 長野side ページ40

W.A 決心編 長野side
――――――――――――――
井ノ原が帰ったあと、僕は物件の書類を取りだし、もう一度目を通していた。

でも、なかなか内容が頭に入らなかった

“自由にしていい”

そう言われたけど…

自由って何だろう…

今までずっと自由であり自由じゃなかった僕に自由の意味なんてわからない
自分がしたいことなんて今更ない

部長は16の時からの僕を知った上でこの仕事(2号店)を頼んできた
自分の意見なんて必要最低限しか言わなくて、積極的だなんてとてもじゃないけど言えなかった
生きるために必要最低限しかやらなかったのに…
なのに何故?
何故、僕にこの話が来たのだろう…

何度も同じ書類を触り、眺めてはこれといったものを感じずにてを止めてしまった

何も思い付かない…僕じゃ2号店をダメにしてしまう。
こんな気持ちで向き合っていい仕事ではない

僕は書類をかき集めて1つにまとめるとトントンッと揃えた


やっぱりクビを覚悟して断ろう…
これ以上会社に迷惑をかけたくない


自分のなかで少し整理がつき書類から神経を遠ざけるとインターホンから何度もならされている音に気づいた

ーピンポーン、ピンポンピンポンピンピンピンポーンー

僕は玄関に向かいドアの小さい穴を覗き、誰が来たのかを確かめた


坂本くんだ…

ーピンポーンー

またも、鳴らしては少し諦めたような顔をした

一体どうしたんだろう…

ドアは開けずにまずはインターホンにでる

長野「はい、長野です、坂本くんどうしたの?」
坂本「俺だってわかってんだったら開けろよ!何度も鳴らしたんだぞ」

なんか怒っているようにも見えたから開けたくなかったけど
開けることにした
開けたら、インターホンからの声の態度から変わって心配な顔をした坂本くんがそわそわしながら立っていた

坂本「元気か」

僕は玄関の外にいた坂本くんを玄関に引っ張って、スリッパをだした

長野「まさか坂本くん、それをいいにきたの?」
坂本「…。顔色は良いみたいだな。お前今日、仕事は?」
長野「家でやってるよ、仕事あると思ってるんだったら家に来ないでよね」
坂本「わりぃ、いや、でも、さあ、こないだ仕事外されたって言ってただろ?」
長野「クビになったか心配してくれたんだね、俺もねクビにされると思ってたんだ、この通り大丈夫だったよ」

僕は満面な笑みを坂本くんに向けた
まだ気にかかることがあるらしく
パッとしない顔で靴を脱いだ

*074 長野side→← 雑談



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
31人がお気に入り
設定タグ:V6 , 小説   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みりん | 作成日時:2016年3月13日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。