*056 坂本side ページ19
長野を部屋につれてドアを閉めると長野の握っていた手のひらから力が抜けていった
倒れないように支えて押さえると長野は俺のなかにすっぽりおさまった
決して小さくないのに力が抜けた姿は小さく見える
長野「ごめん、ちょっと…肩…かして…」
肩で息をする長野を支えながら、先程シーツを取り替えたベットに寝かせた
坂本「ばかっ、無理すんなっていったろ?あと、さっきのなんだよ、何でもなかったかのように話して、あいつ庇って、もともとはお前、あいつのせいでっ」
そこまで言うと長野の人差し指が俺の口元にとまった
声質がいつもの優しい声ではなく少し冷酷な感じで
長野「岡田は関係ないよ、恨む必要なんかない、それにこれは俺の話じゃないんだ、岡田の話を聞かれただけ、だから俺のことなんか聞いてない、必要最低限理解できる程度しか言う必要はないんだよ」
弱っていたはずなのにどこか強い意思が満ちていた
坂本「そうだとしても…」
長野「いい?坂本くん、岡田の顔見たでしょ、これ以上苦しませたくないんだ…」
その顔はお前を心配してんだよ、バカっ
岡田が苦しいのもわかる、でもなんでいつもそうなんだよ、なんで自分を守らない…
あれは、お前の口から言わなきゃいけない嘘だったのかよ
自分じゃなくて岡田を守るための嘘を…なんでお前が傷ついてまで言うんだよ
坂本「わかったから、お前は寝ろ、あとは俺にまかせろ」
俺が部屋を出ようとしたら腕を優しく捕まれた
そして、いつもの優しい声で
長野「今朝、俺吐いたんだよね、俺どうなってた?岡田も気づいてるの?…ごめんね、坂本くん」
坂本「ああ…。でも大丈夫だ何度だって掴んでやるその手を、アイツだって乗り越えられる、だからもう謝るな」
そう返事をしたときには長野は眠っていた
部屋を出るとさっきのまま騒然としていた
はじめに口を開いたのは井ノ原先生、あ、もう井ノ原でいいか、そういうことだよな、?長野。
井ノ原「長野くんは?」
坂本「ああ、あいつもともと40°近くの熱があって客人に挨拶しなきゃとか、で調子越えてたから寝かしてきたんだ」
三宅「どうりで顔色が良くなかったんだ、長野くん大丈夫なの?」
坂本「薬飲ませてぐっすり寝ればよくなるはずだ、心配すんな」
森田「そうじゃねえだろ」
場が静まり返った
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作者名:みりん | 作成日時:2016年3月13日 21時