*051 井ノ原side ページ14
井ノ原「ちょっと話してきてもいい」
俺がその部屋に向かって席をたとうとしたそのとき
岡田が食いぎみになって
岡田「今は！今は…」
そんな岡田を見ていた健がそっと岡田の肩をとる
三宅「いいよ、岡田、大丈夫だから、井ノ原くん座って」
岡田は頷き、俺は座った
剛はわかりづらいがさっきとは違って少し優しい口調になった
森田「岡田、お前、長野さんとはどういう関係なんだよ」
岡田「ひろしはっ、僕のお母さんのような存在です」
三宅「岡田、あんときもそういったよね、確かに長野さんにあったらわかった、あれ、母さんだよ!!」
健が気遣って場を盛り上げる
岡田はまっすぐこっちをみてきた
これでしらを切りたいって感じで
それでも俺は聞きたかった
岡田が傷つくのをわかっていたけど聞くことにした、
これで良かったんだろうか…
助けるためとはいえ個人情報を友達にみせ、岡田んちに乗り込み、こうやって追い詰めている…
助けたいなんて偽善でただ傷つけているのではないか…
でも、もう引き返せない。そうだろ？父さん…
井ノ原「従兄弟、だよな？」
どうして、どうして岡田は従兄弟ってことに素直にうなずかないんだ
岡田は目をそらし首を縦にふった
俺が質問を再開させたことによって健も加わる
三宅「岡田は今、一人暮らしなの？」
岡田「おばあちゃ」
森田「嘘なんだろ、隠すなよ」
岡田は下を向いた
握りしめていた手がどんどんと白くなる
井ノ原「なあ、岡田、本当のこと教えてくれないか？俺達、お前を責めるつもりはない、心配なんだ」
指にさらに力がはいる、消え入りそうな小さな声で答えた
岡田「まあくんがあのときいったとおり、僕は…居候させて…もらって…るんです。」
森田「でも、表札には岡田って書いてあ」
ーｶﾞﾁｬ
青白い肌をした男性がそこに立っていた
なんか今にも消えてしまいそうな透明な感じで
少し哀しげな目をして
長野「居候は俺の方でしょ、岡田？」
その優しい声の方に全員の視線が注がれた
長野くんが、居候？…
その線は考えなかった
なるほどと思った
でもなぜ書類に嘘まで書いていたんだ？
それにはこのことと何か関係があるのか？
これをここまで隠すことなのか？
疑問が深まった
それに坂本先生の言葉は明らかに逆の関係を示していた
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作者名：みりん | 作成日時：2016年3月13日 21時
