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従業員の方に案内されるがまま私は試着室の奥へと案内される。
目の前にズラーと並べられるいかにも高額そうなワンピースやアクセサリーの数々。
値札を見ると思わず震い上がりそうになった。
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あ 「いちじゅう…、」
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百、万?!
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うっそ、
こんな小ぶりのネックレスが、?
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戸惑っている余裕なんてない。
ドレスが次々と並べられていく中で気づけば私は化粧台の前の椅子に座らされ
化粧を施されているのだからますます意味が分からない。
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この高級ブティックに私を連れて来た当の本人はと言うと店内のソファに座ったままタブレットを弄っていた。
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あ 「…もう、副編集長、!」
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何なんですか、これは、
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「あ、あんまり動かないで下さいね?」
あ 「ごめんなさい…。」
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下手に動くとヘアメイクさんに何か言われてしまうので私は諦めて目を瞑る。
そして、数十分後、
終わりましたよ。なんて声が後ろから聞こえて来て、ゆっくり目を開けてみれば、
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あ 「…わぁ、えっ、これ私?」
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まるで、
違う自分を見ているみたいだった______
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「こちらの色のドレスの方がお似合いですね。これにしましょうか、」
あ 「は、はあ…、」
「渡辺様も気に入って下さると良いのですが、」
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なんて優しく微笑む店員さんを前に、いやいやと心の中でつい笑ってしまった。
特に何にも思わないよ、副編集長はきっと。
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というか、こうやって足出すの私何年振りなんだろ。
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あ 「…無理。」
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なんか恥ずかしくて死にそう。
別に露出が多いわけでもないんだけど。
でもジーンズ以外を着るのは久しぶりだし、それに肩だって出てるし。
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皮肉なものだな。仕事の為だといえどこんな女性らしい姿を初めて見せるのが副編集長の前で、だなんて。
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「渡辺様、終わりました。」
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渡 「…ああ、」
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振り返った副編集長の視線が気になるけど、
私は羞恥心から顔を俯けることしか出来なかった。
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abemayu(プロフ) - Twitterも楽しませていただいています♪アカウントが凍結したとのことで私もとてもショックです(TT)ですがサブ垢の方でお話続けていただけるとのことでこれからも楽しみに読ませて頂きます(^^)占ツクもTwitterも全て最高の作品ばかりです!これからも頑張ってください♪ (2023年2月7日 5時) (レス) @page8 id: 64dc9f524a (このIDを非表示/違反報告)
yunopanman(プロフ) - 移行お疲れ様です!真逆な2人が今後どうなっていくか、毎回ワクワクしながら読んでます!更新頑張って下さい(人 •͈ᴗ•͈) (2022年11月20日 15時) (レス) @page4 id: 75411d4617 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろーばー。 | 作成日時:2022年11月20日 15時