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渡辺副編集長に連れられるがまま着いたメイン会場。
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入口も随分と煌びやかだったけど、様々な方達が集うこの《メイン会場》はより一層息も出来ないくらいの敷居で。
会話からちらほら外国語は聞こえて来るし、何語話してるんだろって感じで、
入って数秒だけどもう既に頭クラクラして来ちゃった。
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と、とにかく、
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あ 「っ、」
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早く帰りたくて、仕方ない。
なんて思っていることは口が裂けても言えないけど、
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…、…
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『渡辺くん!久しぶりだね〜!』
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そんなとき、シャンパングラスを手に持った一人の男性がこちらに歩み寄る。
いかにも育ちが良さそうなまさにハイスペックという人物が似合う方で。
しかめ面だった副編集長の表情も柔らかい表情に変わった。
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渡 「ご無沙汰してます。お元気でしたか?」
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『ああ。勿論元気だったよ。渡辺くんこそ調子はどうだ?』
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どうやら海外のファッション雑誌の編集に携わっている渡辺副編集長と交流がある方らしい。
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渡 「…まぁ、ぼちぼちってとこです。」
『そうか。渡辺くんと会うのはいつ以来だったかな。』
渡 「恐らく一昨年のパリの展示会以来ですかね?」
『もうそんな前になるか。いやー、時間の流れは早いな。』
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テーブルに並べられたシャンパングラスを催促された渡辺副編集長はそれを手にするけど決して口にすることはない。
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にしても、広いなぁこのメイン会場。
フランス?はたまたイタリア?この日のために用意されたブッフェは初めて見る料理名ばかり。
こんな高そうなもの、簡単には口に、
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完全に、油断してた______
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『渡辺くん、初めて見る顔だけど後ろのお嬢さんは?』
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後ろのお嬢さんって、私のこと、だよね…?
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あ 「…初めまして。佐々木、Aです、」
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渡 「最近うちの編集部に異動になった社員です。今日は急遽代役で、」
『代役?へー!初めまして。なんだかあどけなくて可愛らしい子だね。」
あ 「え、ありがとうございますっ。」
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代役、は余計な一言ですけど?
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可愛らしいなんて言われたの久しぶりだから悪い気はしないかも、なんて。
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abemayu(プロフ) - Twitterも楽しませていただいています♪アカウントが凍結したとのことで私もとてもショックです(TT)ですがサブ垢の方でお話続けていただけるとのことでこれからも楽しみに読ませて頂きます(^^)占ツクもTwitterも全て最高の作品ばかりです!これからも頑張ってください♪ (2023年2月7日 5時) (レス) @page8 id: 64dc9f524a (このIDを非表示/違反報告)
yunopanman(プロフ) - 移行お疲れ様です!真逆な2人が今後どうなっていくか、毎回ワクワクしながら読んでます!更新頑張って下さい(人 •͈ᴗ•͈) (2022年11月20日 15時) (レス) @page4 id: 75411d4617 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろーばー。 | 作成日時:2022年11月20日 15時