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羽野さんに渡されたメモ書きに乱雑に書かれた会場の場所と地図。
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あ 「…ここを曲がって、んで、えっと、?」
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こんな抽象的な地図じゃ
田舎出身の私は全然分かんないよ。
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来慣れない都会は私にとっては地獄でしかない。
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人と人の行き来は多いし、周りは流行りに乗った若者ばかりで。歩いているだけでもなんだか疲れる。
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会社から電車で一時間半くらいのところにある会場。
せめて車くらい出してくれればいいのに、なんて。
結局目的地に着くまで結構な時間がかかってしまった。
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そして、
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渡 「…、」
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あ 「…っ、」
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副編集長だ。
思わずゴクリと息を呑む。
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会場となる大きいホテルの入口には副編集長が立っていて、しきりに腕時計を気にしているようだった。
副編集長は私が代わりに来ることを知っているのだろうか。流石に話くらいは通してるよね、
集合時間は11時だからまだ大丈夫か、
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あ 「お待たせしました。」
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渡 「遅い。って、はっ…?」
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あ 「まだ制限時間内ですよねっ。」
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これでも急いで走って来たんだ。
電車の乗り継ぎは多かったけど一本も逃さないように
入口や出口が多くてそりゃあもう大変だった。
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副編集長は目を丸くして不思議そうなに私を見つめている。だからお互い困惑してえ?って変な空気になって。
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渡 「、なんでお前が?
俺は長尾にアシスタント頼んだんだけど。」
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あ 「羽野さんから聞いてないですか?梨花さん、急な取材アポで来れなくなったって、なので代わりに私が…、」
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渡 「…はぁ。よりによって、お前、」
あ 「私だって来たくて来たわけじゃ…、」
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こんな反応をされることは
最初から分かっていましたよ…っ。
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もう!だから来たくなかったんだってば!康二くんのバカ!
そんな切なる私の想いはただ心の内に収めることしか出来ない。
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abemayu(プロフ) - Twitterも楽しませていただいています♪アカウントが凍結したとのことで私もとてもショックです(TT)ですがサブ垢の方でお話続けていただけるとのことでこれからも楽しみに読ませて頂きます(^^)占ツクもTwitterも全て最高の作品ばかりです!これからも頑張ってください♪ (2023年2月7日 5時) (レス) @page8 id: 64dc9f524a (このIDを非表示/違反報告)
yunopanman(プロフ) - 移行お疲れ様です!真逆な2人が今後どうなっていくか、毎回ワクワクしながら読んでます!更新頑張って下さい(人 •͈ᴗ•͈) (2022年11月20日 15時) (レス) @page4 id: 75411d4617 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろーばー。 | 作成日時:2022年11月20日 15時