ツンデレ上司との恋愛事情《Shota.W》

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今日は驚くほど目覚めが悪かった。


それもこれも、今私の置かれている状況が決して良いものとは言えないからで、


きっと《あの彼》に嫌気が差してしまっているからだ。






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出勤2日目にしてこんなんで、


私はこれから本当に大丈夫なのだろうか。




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まだ上司のことを何にも知らないけど、




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良く知らないからこそ、もしかしたら、




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あ 「ふぁー…」




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憂鬱な気持ちとは裏腹に空は青く澄んでいて、綺麗な情景につい顔を見上げてしまう。


信号が赤から青に変われば、


私は重たい足取りで会社まで向かった。




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きっと今だけ。


まだ、慣れていないからだ。




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ただ勘違いをされやすいだけで本当は


あの上司だって悪い人じゃないかもしれないし…？




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あ 「…っ、」




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少しだけヒヤッとした。




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だって、会社のロビーに着いて入館証をかざせば、


見覚えのある人が私の隣を横切ったから。





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凄いタイミング。


ちょうど今貴方のことを考えてたところだったんだ、




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あ 「…おはようございます、」




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渡 「…」




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バッチリ目が合ってしまったんだからそりゃあこう言うしかない。




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渡辺翔太。


そう、私が異動になった部署の直属の上司だ。




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目が合っても返事もなく私の先をそそくさと歩いて行ってしまった。


はいはい。そうなりますよね…？


でも、挨拶くらい返してくれたって良いじゃない。




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それどころか、





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あ 「…あっ、私も乗ります、あの、！」





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エレベーターが閉まる瞬間に私の目に映ったのは、タブレットに目を通す渡辺さんで、


私の声に一切耳なんて傾けてない。


そして、無惨にもエレベーターは私を置いて上の階まで向かっていった。





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あ 「はぁ…？」




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流石に私の存在に気付いてましたよね、？





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このせいで次のエレベーター来るまで待たないとなんですが、





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やっぱり、前言撤回。




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渡辺副編集長に良い人のカケラなんて一ミリもない。





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