あざといアイドルに恋した。《Ryohei.A》

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阿 「また来ちゃいました」


そう、優しく微笑む彼。2週間前に会ってからずっと会いたくて会いたくて仕方なかった。


この気持ちがなんなのかはまだ分からないけど…



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これって夢じゃないよね？


幻では、ないんだよね？




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あ 「どうぞ入って下さいっ！」


溢れ出そうな想いをなんとか制御する。嬉しさで堪らないけどそれをグッと抑えた。


ドアを開けると、阿部さんはゆっくり中に入って行った。



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隣に並んでみると意外と背が高いんだなぁ…なんて


前回は分からなかったことに気が付けてちょっぴり嬉しい。




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そう言えば外暗いから全然気付かなかったけど、阿部さんびしょ濡れじゃん！


程よく髪の毛が濡れた阿部さんは何ともまぁ色っぽく見えて、高鳴る胸を抑えるのに必死。


わざと彼から視線を逸らした。




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そっか。…だって、さっき傘持ってなかったみたいだもんね。




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あ 「今、タオル持って来ますね…！」




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ジャニーズだから、風邪とか引いたらいけないもん！


仕事に支障出ちゃうし！




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阿 「あ、ゴメンね。ありがとう」


あ 「あ、…いえ」


阿 「突然雨降って来ちゃって、今日傘も持っていなくて」




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確かに。


今日雨降るなんてニュースで言ってなかったもんね。




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少し間を空けて、阿部さんがまた口を開く。




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阿 「またここ来たいって思ってたんだけどなかなか時間がなくて。

そしたらたまたま今日収録が早く終わったから」




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タオルで髪の毛を拭きながらそう言う阿部さん。


いや、すっごく絵になる！ていうか、目が離せない。




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阿 「また来れてよかった」




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眩し過ぎるアイドルスマイルに言葉が詰まる。


これが、ジャニーズマジックってやつ？


ファンの子の気持ちが今すごく分かる気がする。




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阿 「この前の子、だよね？」


あ 「…へっ」


阿 「ふはは、やっぱりそうだ」




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阿 「…また会えたね」




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阿部さん、いくら慣れてるからってそんな近くで顔覗かせて微笑みかけて来るなんてズルい。


私、そんな技知らない。




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『また会えたね』そんな何気ない言葉もズルイし


もしかして、私のこと覚えてくれてたんですか？




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