お兄ちゃん、ガチャ 〜Side レイ〜

。゜○ 24th GACHA ○゜。 ページ25

.



公園の近くを歩くレイ


レイ「Aちゃん…」

アキヒコ「あれ？レイくん？」

レイ「あ…」

アキヒコ「どうした？誰か探してる？」

レイ「ねぇ…Aちゃんを見なかった？」

アキヒコ「さっきまで公園で話してたけど？」

レイ「公園で！？」

アキヒコ「うん。何か迷ってたみたいだったし…」

レイ「まだ公園にいる？」

アキヒコ「いると思うよ。早く行ってあげなよ」

レイ「分かった…。ありがとね、トイくん…」



公園に向かうレイ



アキヒコ「…あれ？今…『トイ』って言われた…？」



.



公園


A「…」


赤い錠剤が入った小瓶を見つめるA


A「これを飲めば…前世を忘れられる…」





―でも…本当にそれでいいの…？








―前世を忘れたからって…私はあの家族になれるの…？








―私は…幸せになれるの…？







A「……分かんないよ…」



公園に入ってくるレイ



レイ「Aちゃん！」

A「レイくん…」

レイ「…もしかして、飲もうと思ってた？」

A「…」

レイ「それで…君が楽になれるなら…」

A「本当に楽になれるの…！？」

レイ「え…？」

A「前世を忘れたら…私は楽になれるの？幸せになれるの…？」

レイ「…」

A「どんなに考えたって…私は幸せになれない…。きっと…あの家族にも見捨てられる…。最終的には…消去されちゃう…」

レイ「そんなこと無いよ！きっと…相談して…」

A「レイくんは何も分かってない！！」

レイ「！！」

A「私は幸せになれないの…！どうして…ガチャになって……生まれ変わったんだろう…。病気の身体も…治らないまま…」

レイ「Aちゃん…」

A「…忘れられるなら……ここに来たことも全部忘れたい…！雨傘家のみんなに出会ったことも…レイくんに出会ったことも……全部忘れてしまいたい…！」

レイ「っ…！」



Aを抱きしめるレイ



A「やめてっ…！そうやって優しくしないで…！」


レイを突き放すA


レイ「…」

A「レイくんの…悪いところだよ…。その優しさが…苦しいんだよ…」



公園を出るA



レイ「…はぁ。そういえば…四葉ちゃんにも……同じこと言われたなぁ…」




.

。゜○ 25th GACHA ○゜。→←。゜○ 23th GACHA ○゜。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す