名家の次期当主に溺愛されています-6- (ページ34)

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。゜+゜。〇-Episode12：大波乱の宴-〇。゜+゜。ページ34

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沙耶「うっ…」

沙耶は黒服に背中を押され、薄暗い部屋の中に押し込まれる

そして、外側から鍵をかけられる音が聞こえる

沙耶「ここ…どこ？」

薄暗くて、どんな部屋なのかも分からない

しかし、近くに誰かがいる気配を感じる

玲奈「やっと来たわね、お義姉ちゃん」

千香子「使用人たちも手こずりすぎよ。もっと早く連れてくることだって出来たはずだわ」

部屋に少しだけ灯りを付け、沙耶に近づいてくる

沙耶「玲奈…。千香子さん…」

玲奈「相変わらず、似合わないドレスを着てるわね。そんな高価なドレス、お義姉ちゃんには似合ってないわよ」

沙耶「…」

相変わらず、玲奈は沙耶を罵ってくる

これが、どんなに愚かなことなのか…分かっていないのだろう

沙耶「何で…こんなことするの…」

玲奈「お義姉ちゃんに用があったから、ここに連れてきてもらったの」

沙耶「え…？」

玲奈は突然座り、沙耶に目線を合わせてくる

玲奈「お義姉ちゃん、ごめんね？」

沙耶「は…？」

いきなり、なぜ謝ってくるのか…

不自然な謝罪に、沙耶は恐怖を抱く

玲奈「私ね、分かったの。お義姉ちゃんから真斗を奪ったのは、間違いだったって」

沙耶「な、何を急に言いだすの？」

玲奈「真斗は、お義姉ちゃんの方が好きなのよ。私のこと、全然好きじゃなさそうだし。そんな人と結婚したって、つまんないじゃない。だから、お義姉ちゃんに真斗を返してあげる」

沙耶「はい…？」

意味が分からない

奪っておきながら、つまらないからという理由で返すと言い出すなど…わがまま過ぎる

それに、絶対にこれだけでは済まない

沙耶「じゃあ…玲奈はどうするの？私に、真斗を返すなら…」

玲奈「決まってるでしょ。私が和田様と婚約するの」

沙耶「！？」

玲奈「お義姉ちゃんに、あの人は釣り合わないと何度も言ったでしょ？私の方が、和田様に相応しいわよ。地味なお義姉ちゃんには、真斗くらいの平凡な男がお似合いよ」

沙耶「…」

予想通りではあったが、また婚約者を奪おうとするとは…

真斗を奪われた時は、何をしても無駄だと感じて諦めた

近衛家の使用人として働くことも、諦めの気持ちから応じてしまった

でも…

和田だけは…譲れない

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