名家の次期当主に溺愛されています (ページ31)

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。゜+゜。〇-Episode2：優しい救いの手-〇。゜+゜。ページ31

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和田「沙耶、準備はいい？」

沙耶「はいっ…！」

雅彦「優希くん、沙耶ちゃんのこと…よろしく頼むよ」

和田「はい。雅彦さんとの約束…ちゃんと守りますから」

沙耶「近衛家の皆さん、本当に…お世話になりました…！」

深々と一礼し、車に乗り込む

沙耶を乗せた車が発進し、小さくなっていくのを見届けた

真斗「沙耶…」

優子「真斗、寂しいのは同じよ…」

真斗「…」

名残惜しそうに、車が走り去った道の先を眺める真斗

後悔しても、もう遅い…

寂しさを引きずりながら家に入ろうとすると、近衛家の前に車が停まる

真斗「ん？」

玲奈「真斗～！！」

車から玲奈と千香子が降りてくる

真斗「え、何で…！？」

優子「千香子さんまで…」

千香子「おや？皆さんお揃いで、出迎えですか？」

真斗「玲奈…来る時は、連絡してって言ったはずだろう？」

玲奈「連絡したよー！！それを、真斗が無視してたんじゃん！返事を待ちきれなくて、勝手に来ちゃった」

真斗「…」

ある意味、沙耶が出た後で良かった…と、ここにいる近衛家の全員が思った

あと1分でも沙耶の出発が遅かったら、鉢合わせしていた

雅彦「実は、早い時間から来客がありましてね。その方を見送ったばかりだったんですよ」

千香子「あら、そうでしたのね。土曜日ですのに、近衛さんはお忙しいのですね」

優子「ところで、本日は千香子さんも一緒にどうされたのですか？」

千香子「沙耶さんの様子を見に来たのです。近衛家で働くようになって、2週間くらい経ちましたし…。そろそろ、立派な使用人として働いてると思って、その姿を拝見しようと思いまして」

思いもよらぬ千香子の発言に、その場の空気が凍る

まさか、沙耶に会いに来るなんて思いもしなかったのだ

玲奈「私も久しぶりにお義姉ちゃんに会いたいし。ねぇ、いいでしょ？」

真斗「あ、いや…。実は、沙耶は…」

桜庭「大変申し訳ございません。沙耶さんは、数日前から高熱を出して寝込んでおります」

玲奈「はぁ！？」

淡々とした表情で、さらっと桜庭は嘘で誤魔化してきた

桜庭「沙耶さんはとても働き者で、いつも一生懸命仕事をしてくれています。ですが、日頃から頑張り過ぎたのでしょう…疲れが溜まっていたようで、高熱を出されてしまいました」

千香子「あら…そうだったんですの？」

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