。゜+゜。〇-Episode2:優しい救いの手-〇。゜+゜。 ページ26
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和田「……浩大」
浩大「あぁ」
いつの間に、和田の後ろに立っていたのだろうか
付き人の浩大が現れ、すぐさま携帯でどこかに連絡していた
和田「すぐに近衛家から出るのは難しいだろう。荷物をまとめる時間だってあるだろうし…」
沙耶「あのっ…近衛家から出たら、千香子さんや玲奈に何て思われるか…」
和田「あぁ、それなら心配いらない。雅彦さんにお願いして、しばらくは上手く誤魔化してもらう」
沙耶「でも、いつかは言わないとですよね?」
和田「ちゃんと、五条家に挨拶はさせてもらうよ。飛鳥家の反感を買うのは仕方ないこと。でも、さすがの飛鳥家の令嬢も…和田グループには逆らえないはずだ」
沙耶「…」
和田は余裕の表情をしていたが、沙耶は不安でしかなかった…
いくら和田グループが相手でも、あの千香子のことだ…何を企むか分からない
玲奈だって、何をしてくるか分からない
でも…不思議と安心感があった
この人なら、自分を守ってくれると…
浩大「…とりあえず、和田家に彼女のことは説明した。あとは、彼女が和田家に来るタイミングさえ分かればいい」
和田「準備はゆっくりで構わない。和田家に来る準備が整い次第、連絡を入れてほしい。迎えに来るから」
沙耶「は、はい…!」
***
一方、和田家は大騒ぎになっていた
今まで縁談を組んでも成立せず、一族の者たちは彼に婚約者が出来ることは半分諦めていた
それなのに突然、婚約者が出来たと連絡が入ったのだから大騒ぎになるのは当然だ
使用人たちが慌ただしくする中、和田と浩大が帰ってくる
安土「あぁ、優希様!!お帰りなさいませ!!」
和田家の使用人長の安土が、慌てて出迎えの挨拶をする
安土は60代前半の男性の使用人長で、安土家も代々和田家に仕えている一家だ
和田「何を慌てている?」
浩大「慌ててるのは、お前が原因だろ。急に婚約者を決めたりするから」
和田「え、それだけで?」
浩大「今まで、どれだけの縁談を断って、周りの人間たちの期待を裏切ってきたと思ってんだよ…。それなのに、急に婚約者を決めるとか…。『婚約者が決まるというかもしれない』という心の準備が出来てない状況だったんだぞ」
和田「あぁ、そういうことね」
浩大に諭され、使用人たちが慌てていたことに納得する
確かに、事前に伝えておくべきだったかもしれないと少々後悔した
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作者名:あきか | 作成日時:2022年9月30日 21時