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浩大「俺も龍がドラマに出るって聞いた時は、本当にビックリしたよ。しかも、ちゃんと役名あるし」
龍「そうそう。エキストラだろうなー…って思ってたから、しっかり役がもらえるなんて思ってなかったよ」
小田「凄いですね…！」
龍「本当、自分でも驚いているよ。高校生の頃、バレエのことで悩んだことがあるからさ…。あの時、諦めなくて良かったって思うよ」
浩大「もしかして、あの時のこと？」
小田「何かあったんですか？」
龍「部活の大会とバレエの海外留学の日程が被っちゃって、それが原因で蓮音って友達とケンカしちゃったの。小学生の時のトラウマが蘇っちゃって、それまで頑張ってきたバレエを手放そうとしちゃったんだよね…」
小田「そんな…」
龍「あの時は、バレエを本気で辞めようと考えた。でも、それを止めてくれたのは…大事な部活の仲間だった」
浩大「俺も似たような経験があるからな。頑張ってきたダンスを途中で辞めてしまって、後悔して自分の気持ちに嘘を吐きながら生活してたから…。その時の自分と、当時の龍の姿を重ねてしまったんだよ」
小田「何で、ダンス辞めちゃったんですか？」
浩大「高校受験の失敗だよ。本当は月詠高校を受験していたんだけど、落ちちゃってさ…。受験期間に入るまでは、強豪ダンススクールのエースだったんだけど…受験失敗のショックで、全てを投げ捨ててしまった…」
小田「そんな…」
浩大「ダンススクールのエースだったプライドが邪魔して、受験失敗という些細なきっかけで…一気に自分が情けなくなった。だから、それまで大会で貰った賞状やトロフィー、大会や発表会で着た衣装とかも…全部捨てた。そして、勉強だけに集中する…自分の本当の気持ちから逃げるような生活を始めたんだ」
小田「っ…」
浩大「でも、諦めたダンスを再開するきっかけをくれたのは…龍たちなんだよ」
龍「必死に部活に勧誘したからね。ちょーーーしつこく」
浩大「本当、しつこかったよ…。でも、あの時の龍の言葉が…俺を救ってくれた」
龍「自分の気持ちに、嘘を吐くな。…だよね」
小田「自分の気持ちに、嘘を吐かない…」
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作者名：あきか
| 作成日時：2021年10月16日 17時
