秋空 (ページ8)

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「じゃあ、早く仲直りしなよー」

授業が終わって紗香は私に
その一言だけ残して帰っていった。

『…だから喧嘩じゃないって。笑』

教室の中の海人に目を向けると、
その周りにはやっぱり数人の女の子がいた。

その姿を見て、思い出したのは

「できないじゃなくて作らないだけ」

という海人の言葉だった。

『…これが正解か』

私が関わりすぎない方が
きっと海人のためになるんだ。
海人が幸せならそれでいいや。

なぜか、その光景を見て
ひどく納得して教室を出た。

いつもなら真っ直ぐ帰る帰り道
これで最後と決めて
あの写真のひまわり畑にやって来た。

。

「Aちゃん。カイが守ってあげるから。
おじいちゃんおばあちゃんになっても
ずーっと一緒にいようね！！」

『ずーっと？』

「うん！カイはAちゃんと結婚するの！」

『結婚したらずーっと一緒にいられる？』

「うん！だから、おっきくなったら
結婚しようね！」

『うん！』

。

あの時海人は親戚の結婚式に出た後で
急にそんなことを言い出した。

『…ほんとにずっと一緒に居てくれたなぁ』

このひまわり畑も毎年、二人で訪れている。

もう、夏も終わって元気をなくした
りまわりたち…

『来年も元気に咲くんだよ。

…見にこれないかもしれないけど』

「なんで、見にこれないの？」

突然後ろから聞こえた声。
振り向かなくてもそれが誰なのかは
すぐにわかった。

振り向いた先にいたのは
まるでひまわりのように笑う
私の大好きな人の姿だった。

『海人…』