秋空 (ページ7)

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海人と話さないで過ごした1ヶ月。

記憶のあるなかでは
こんなに長い期間話をしなかったのは
初めてだった。

「まだ、喧嘩中なわけ？」

お昼休み、高校に入って仲良くなった
紗香が聞いてきた。

『別に喧嘩じゃないって…』

「ふーん。そう」

『その納得いってない顔やめてよー』

「だってどう考えても喧嘩でしょ？

海人がAの逆鱗に触れたって感じー」

『いや、経緯説明したよね？』

「ん？それが？」

『それがって…笑』

「だから、Aは海人の発言でストッパー外れちゃって、想いぶちまけたって話でしょ？要は、海人が人の気も知らないで無神経な発言してきてぶちギレた！みたいなことでしょ？」

『ぶちギレてはないけどね？笑』

「でもさ、ちゃんと話した方がいいよ。
海人いっつもAのこと眺めてるし」

『それは、海人の無駄な優しさと
責任感でしょ…変に引きずるし。』

「いやー、それだけじゃないと思うけど」

紗香は、首をかしげつつも、
ごちそうさまでしたと言って
空っぽになったお弁当箱を片付けた。

「まっ、Aがそれでいいなら良いけど
私はちゃんと聞いた方が良いと思うよ。
答えを聞くのが怖かったとしてもね！」

『んー。そのうち…ねっ』

答えね…

聞きたいような…

聞きたくないような…

こんな難しい問題になんて
最初から挑まなければよかった。