秋空 (ページ29)

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結局、2日続けて泣きじゃくった
私の目は、しっかりと冷やしても
多少の腫れが残ってしまった。

「ちゃんと、海人くんのページ読んだんだね。」

家にやって来た勇太は
私の腫れた目を見ると
そっと微笑んで最初にそう口にした。

『うん。』

「それで…どう思った？」

『海人の日本での思い出…
全部私の記憶にもあるものだった。』

「うん…それから？」

『海人…私のことずっと
忘れてなかったんだなって

むしろ…すごく

…大切に想ってくれてた。』

「うん。俺もあのページ読んで
海人くんがどれだけAを
想っていたか伝わったよ。」

『…私、海人が作った歌
ちゃんと聴きに行かなきゃ…』

「…そうだね。
海人くんの想いをちゃんと
会って確かめてきな…」

勇太は優しく微笑みながら
目の奥がどこか悲しそうだった。

『…これ、勇太も一緒にきてくれないかな…』

私は海人ママがくれた
ライブのチケットを
勇太の前にだした。

「…俺が一緒でいいの？」

『勇太がいいの。

今の私がいるのは勇太がいるからだよ。
海人のことで落ち込んでた時も
受験の時も勇太のおかげで
乗り越えられたの。

大学入って一人暮らし始めて
大変なこともあったけど
勇太が隣にいてくれたから
毎日、楽しかった。

だから、きっと…
勇太と一緒に向き合わないと
意味ない気がする…』

俯いたまま顔を上げない勇太。

『…やっぱり無理だよね。笑

ごめんね、わがまま言って。
ちゃんと、ひとりでi...「行く。」』

『えっ』

「俺も海人くんの想い聴きたい。
ちゃんと向き合って正々堂々勝負するよ」

いつもの優しい笑顔で
優しく抱きしめてくれる。

『ありがとう。』

「こちらこそありがとう。」