秋空 (ページ24)

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。ページ24

「今ね、私の一押しのカイトくんだよー！
日本にツアーで来るの！！」

希空は勇太の前に
cryptographが載ってる雑誌を
広げ"カイト"を指差した。

「…これが、カイトくん…」

「うん！めっちゃかっこいいでしょ？
でも、こっちのページはかわいいの～♡
この振り幅スゴくない！？
んでもって、ダンスもすごいんだから！」

「うん。凄くかっこいいね。
それに、オーラもあるしね。」

「ジンくん！さすが！
まぁ、Aはジンくんしか見えてないから
わかんないのかもだけどねー」

『…ははっ。』

希空はそのまま、勇太に"カイトくん"について
ずーっと話を続けた。

勇太は海人の顔は見たことがない。
だから、希空の話す"カイト"と
私が話した"海人"が同じだと
気がつくかはわからない。

…だけど、察しの良い勇太は

きっと気づいただろう…

何も隠すことでもないのに
何故か言い出すタイミングが分からず
罪悪感で押し潰されそうになる。

私は二人の話の内容が
全然入ってこなかった。

「A？」

『へっ？』

「そろそろ講義始まるから行こう？」

『あっ！うん、そうだね。』

勇太に声をかけられて
慌てて準備をして講義に向かった。