秋空 (ページ21)

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ジンくんと付き合い始めて
もうすぐ、1年が経とうとしていた。

私たちはあの日すぐに
付き合い始めたわけではない。

ジンくんが初めて想いを伝えてくれた日
返事はいらないと言った。

もちろん、お互い受験で
それどころではなかったから
私は返事ができずにいた。

それから、見事に二人とも難関大学に
受かり新たな生活をスタートさせ
落ち着いてきた頃
再びジンくんに告白された。

「今度は返事が欲しいです。」

その一言が付け加えられて。

ジンくんが再び想いを伝えてくれた日は
なんの悪戯か海人が私に
「忘れて」と告げた日で
答えを口にするのを一瞬ためらいかけた。

それでも
私の返事は決まっていた。

いままで、海人でいっぱいだった思い出の中に
ジンくんでいっぱいの日々があって
私の毎日に明かりを灯してくれたのは
紛れもなくジンくんだった。

『私でよければジンくんの隣に
いさせて欲しいです。』

そう返事をした。