秋空 (ページ13)

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神「でも、ほんと海人くん元気だといいね？」

『そうだね。私もそう思う。』

神「きっとすごい有名になって帰ってきそう。笑」

『そうかなー？笑』

神「だって、まだ17で好きな人に自分の事忘れてって言ってまでアメリカに行ったんだよ？
俺なら待っててって言ってたかも…」

『待っててって言ってくれる方が嬉しいけど…』

「待ってては自分の事しか考えてない発言だよ。

大切だからこそ幸せでいてほしいでしょ？
だから、不安なまま待たせるより
忘れてって残酷かもしれないけど
はっきり伝えた方がきっといつか
ちゃんと前に進めるでしょ？」

たしかに、あの日の海人は
とても寂しそうで苦しそうに
私に「忘れて…」と告げた。

「海人くんはほんとにAのこと
大切に想ってたんだよ。
たぶん今もずっと…」

真っ直ぐ、力強くでも温かな
瞳で私のことを見つめる。

『…ジンくんってほんと毎回、海人のこと
私に思い出させようとしてるよね？』

「んー？笑」

少しとぼけた顔をして
私から視線をはずす。

『ほんとにいいの？
私がずーっと海人のこと忘れられなくても？』

「そのままで良いって
言ってるでしょ？」

全然納得のいっていない表情の
私を見たジンくんは

「だって…海人くんがいなかったから
Aに出会えてないでしょ？」

『そう…かな…？』

「そうだよ。

それに、ずっと大切にしてきたものを
忘れてなんて自分勝手すぎでしょ？

俺は、大切な人をずっと想い続けてた
真っ直ぐで純粋なAが好きなの。

…だから忘れないであげて」

ジンくんはどこまでも優しくて暖かい。
海人の想いも受け止めて
私が海人に抱く想いも受け止めようと
してくれる。

その優しさに暖かさに甘えて
そっとジンくんを抱き締めた。

『…ジンくんって暖かいね。』

「…不意打ちはずるいんですけど？」

そんなことをいいながら
優しくそっと包み込んでくれた。