あの日、君に…恋をした。2 (ページ46)

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96-おまけ玄樹 side- ページ46

少し外れの小さなカフェ
隠れ家的なその佇まいは
どこか懐かしさを感じさせる。

カランコロン

お店の扉を開ける。

『いらっしゃいませ。』

そう言って優しく微笑む彼女。

『あっ！なんだ玄樹か。』

「俺じゃあ不服なわけ？」

『来てくれて嬉しいよ。
いつものでいい？』

「うん。お願いします。」

『かしこまりました。』

お客さんに笑顔で対応するA。
ほんとに楽しそう。

『はい。お待たせ致しました。』

そう言ってなぜか２つのカップを置いた。

「なんで２つ？」

『私もう上がりなの。だから一緒に
お茶してこうと思って。嫌？』

「そうなんだ。ってか、カップ置いてから言うことじゃないじゃん。笑」

「早くしないと冷めるよ。」

そういうと、だね♪と微笑んで
着替えて目の前の席に座った。

「廉には言わないの？
ここでバイトしてること」

『んー。言わないかな？聞かれてないし』

「聞かれたら言うの？」

『んー？どうしよう？笑

でも、玄樹が知ってくれてるだけでいいかな』

「なにそれ。笑」

『だって、私の大切な友達第一号だから。』

眩しいくらいの笑顔で
そんな事を話すA。

友達第一号として、俺との時間も
ちゃんと大切にしてくれている。

「ほんと、罪深いよね」

ボソッと放ったその一言は
カップのかに消えていく。

『ん？何て言った？』

「別に？」

「Aってほんと可愛くない。」

『ねぇ！それちょっと傷つくんだって。
まぁ、玄樹よりは可愛くないだろうけど…』

嘘だよ…

ほんとは誰よりもキラキラ輝く
綺麗な星で愛しくてしょうがない。

「まぁ、たしかにAよりは可愛いかも」

『喧嘩売ってる？笑
そんなんだから、彼女できないんだよ』

「できないじゃなくて。作らないの。俺は」

『好きな子もいないの？』

ほんと可愛くない。笑
今目の前にいるって。

「いるけど。」

『えっ！？どんな子？告白は？』

「食いつきすぎ。笑」

『玄樹が私の背中押してくれたんだから、
私も力になりたい。』

「告白はしない。彼氏いるし。
なにより、その子が幸せならそれでいいの。」

じっと、人の顔を見つめ
クスッと笑った。

『なんか、玄樹らしいね。』

そうやって、ずっと幸せそうに笑っててね。