あの日、君に…恋をした。2 (ページ37)

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『待ってるって言ってくれて
ありがとうね。』

「もともとAがいた場所やし」

『だから、ここ私のものじゃないよ？
立ち入り禁止だし。笑』

無邪気に笑う姿に胸がキュッと
締め付けられた。

『よし！じゃあ、またね。廉くん』

Aは前みたいに永瀬くんではなく
廉くんと呼び世界が変わる扉に向かって
足を進めた。

「えっ？帰るん？」

『帰るよ？さすがに帰らないと
鍵閉められちゃうから。笑』

「あっ！そっか！」

『…一緒に帰る？』

そっと小さな声で、でもたしかに
そう呟いた。

「…」

驚きのあまり、返事ができずにいると

『っごめんね！嫌だよね？
じゃあ、私先帰るね！』

そのまま、扉を開けて
慌てて階段を降りていった。

「…いや！ちょっと！」

急いでAの後を追いかける。

「待って！帰ろう一緒に。」

『…別に無理しなくても良いんだよ？』

「俺が一緒に居りたいから。」

『…そう。』

素っ気ない返事だったけど
僅かに顔が赤くなってるのが見えて
無性にドキドキした。

そのまま、二人で学校を出る。
電車に揺られながら
また、夜空を見上げるA。

「なぁ、寄り道していかん？」

『寄り道？どこに？』

「…星の見える丘」

『流星群見たところ？』

「おん。行かん？」

『…うん。行きたい。』

電車を降りてあの日流星群を見た丘に
二人でやって来た。

『やっぱりここだと星沢山見えるね。』

「そうやな。」

都会のわりにはよく見える
星たちを眺めながらふと思い出す

「前にさ、太陽より明るい恒星の話したやん？あの時に、俺に似てるって言わんかった？」

『んー、言ったね』

「なんで？」

『その星はね。自分が１番輝いてるって知らないんだよきっと。私たちは当然のように太陽が１番だって思ってるし、星は自分がどれだけ輝いてるかなんてわからないでしょ？』

「そうやなー」

『廉くんもたぶん気づいてないから。
真っ直ぐで素直で綺麗で誰よりも
輝いてることに。』

「俺が？」

『うん。だから真っ直ぐすぎて綺麗すぎて
触れれば壊れそうって…怖いって思った…

でも、廉くんの真っ直ぐて綺麗な光はね
皆を優しく包み込む光だった。
きっと、ほんとに綺麗な心だからだね』

「なんか、はずいな」

『ふふっ。だろうね？笑

そのことにね
玄樹たちがね気づかせてくれたの。』