あの日、君に…恋をした。2 (ページ32)

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82-you side- ページ32

玄「…俺は傷ついた。」

『…』

玄「たった数週間の差かもしれないけど
その数週間のAはコロコロ表情変えて
素直で真っ直ぐでキラキラしてた…

なのに、学校でのAは
嘘はつかないけど心閉ざしてる感じがした。
完璧と言えば完璧なのかもしれないけど
なんか気持ち悪かった…」

神「玄樹…」

玄「俺はたった数週間のAが好き。

周りと同じように玄樹くんって呼んで
突き放してきて、俺は傷ついた。

それに、今のA見てるのもう辛い
自分でわかってるんでしょ
もう限界だって…」

何も言えなかった。
玄樹が言うように自分でわかってた。

息苦しくて、何かが溢れそうだった。

玄「…それに廉だって傷ついたと思う」

『なんで…廉くん』

黙りこむ玄樹の代わりにジンくんが
口を開いた。

神「Aちゃん言ったよね。
廉も玄樹とは違う意味で特別だって

その意味ほんとはもう、
分かってるよね…？」

『…』

神「誰も傷つけないなんて無理だと思うんだ。
みんな、傷つけ合ってお互いを許し合いながら
相手のこと知っていくんじゃないかな？

星ちゃんのこと傷つけたのかもしれないけど
Aちゃんだって
十分すぎるくらい傷ついたんだよ？」

ジンくんの優しい言葉に
視界が歪んでいった。

玄「過去は変えられない、過去のいろんな経験があってこその今のAでしょ。未来なんてどうなるかわからないけど、今のA次第でどうとでもなる。

星ちゃんが言った"目に見えるものが全てじゃない"ってさ、全部引っくるめて言ったんだと思う。Aだってちゃんと言葉の意味わかってるんでしょ？」

二人の言葉が優しく胸に溶け込んで
その分だけ涙が溢れて止まらなかった。

玄「…俺は傷ついた。けど、
Aになら傷つけられても良いよ。」

神「俺もAちゃんになら
傷つけられても良いよ？笑」

『…二人してバカだね。笑』

玄「はぁー！もう前言撤回！
人がせっかく…『ありがとう』」

玄「えっ」

『二人ともありがとう。』

少し収まった涙を拭きながら
感謝の気持ちを伝えた。

神「どういたしまして。良かったね玄樹」

玄「…別に」

『ふふっ。照れてる？』

玄「照れてない！」

その後はまた、他愛の無い話をして
カフェをでた。