あの日、君に…恋をした。2 (ページ15)

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「ありがとうな…」

『あっ。服ちょうどよかったみたいだね』

「おん。ちょうどやったわ」

『髪乾かさないと風邪引くよ？』

「こんなん自然乾燥で大丈夫やから
Aも風呂入らんと風邪ひくで？」

『ならいいけど。』

『あっ、適当に座ってていいよ。』

「ありがとう。」

ベッドとテレビの間に腰を下ろす。

目の前のテーブルにコトンと
ドライヤーを置いて
『やっぱり乾かした方が良いよ』
と言いお風呂場へと向かっていった。

髪を軽く乾かし
ふと辺りを見渡す。

綺麗に整えられた部屋

俺の部屋と大違いやな…

(星…？)

目に入った本棚には
星の本や星に関連するタイトルの小説などが
並べられていた。

(星好きなんやな。)

(ん？これなんやろ？)

少しだけ上の方にある
タイトルの無い本。

おもむろに手に取り
ページをめくる。

そこには、様々な夜空の写真が
写し出され、輝きを放っていた。

(めっちゃ、綺麗…)

次々とページをめくる中
ふわりと何かが本から床に落ちた。

拾い上げたそれは、１枚の写真。
知らない女の子とAの姿。

そこにいたAは教室でも
屋上でも玄樹たちの前でも見せたことのない
表情で笑っていた。

『永瀬くん？』

いつの間にかお風呂から上がったAが
写真を持つ俺に声をかけてきた。

「あっ。いや…その勝手にごめん」

『別にいいよ』

俺の手から本と写真を受け取り
もとの位置に戻す。

『ドライヤー持ってくね。』

そのまま、またお風呂場の方へと
消えていった。