短編集【izw受固定】 (ページ4)

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本当は【kwmr×izw】ページ4

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こいつは本当に……。
そう胸の中で言いながら溜息を吐き出した。

彼は突然にオフィス内で筋トレを始めることがしょっちゅうで、その度に汗をかいたからという理由でシャワーを浴びる。

別にそれは構わない。
問題は浴びた後である。

ズボンこそ履いているものの上半身には何もまとわずに、髪から滴る水滴が首筋を伝ってよく鍛えられた胸元を垂れながら、そんな姿で現れるのだ。
そうして一生懸命に仕事をしている僕の横に座ってプロテインを飲む、これが大体のいつものルーティーン。

たった今もその最中である。

僕もどうして男である彼の半裸を見てこうも心が乱され落ち着かないのかは分からないけれど、それは一先ず知らんぷりをさせて欲しい。良くない答えが出てきそうな気がするので。

｢あのさぁ……｣

横に腰かける彼に視線はやらずに話しかける。

｢んー？何ですか。｣

こっちの気も知らないで呑気に答える彼。

｢毎回言ってるんだけど、僕。そのまま上がってきたら風邪ひくから上に何か着て髪は乾かしてって。｣

「あー……、忘れてたわ。」

そう言っては立ち上がり、お母さんになる素質ありますよ。と続けながら部屋を出ていく彼。

誰がお母さんだ、お前のような息子を産んだ覚えはない。

あいつは本当に僕が風邪をひくからという理由だけで毎度注意していると素直にそう受け取っているんだろうな。
その素直さが彼のいい所であり、時に危うい。

僕がお前の体を見ると何となく落ち着かないから、と。それが本当の理由だと知ったらお前はどんな顔をする？

何だそれ、といつものように大声で笑ってくれるだろうか。

お願いだから突き放したりしないでくれよ。