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1返事 ページ1

梟谷学園高校2年生の私、速水Aは、子供の頃からよく「表情が読めないね」と色々な人に言われ続けてきた。


確かに、私はいつも無表情だ。
よく言えばクール、悪く言えば無愛想。

そんな私だから、友達が全然いない。

自分から話しかけに行く勇気もないし、話しかけられても愛想笑いだってろくに作れやしない。

でも、最近お近づきになった人がいる。



「速水」



私の顔を覗き込むように見ている、赤葦京治さん。

同じクラスで同じ委員会。彼とはそのぐらいの接点だった、つい昨日までは。


昨日、なんと彼に告白された。

女の子にモテモテの赤葦さんが、まさか私なんかに?
夢なのではないかと思って頬をつねったが、しっかり痛みを感じた。


返事はその時返すことが出来ずに、明日まで待って下さい、と早口で言い残し、足早に帰ってしまった。
とても失礼なことをしてしまった。



そして、今日の放課後。彼に呼ばれて、2人で裏庭に来た。
昨日の返事をしなければいけないと緊張し、ゴクリと生唾を飲み込んだ。


「ええと……き、昨日は勝手に帰ってごめんなさい」


ひとまず、昨日のことを謝ると、彼は大丈夫だよ、と優しく言ってくれたので、安心する。

でも、彼は私をじっと見つめている。
返事を待っているのだ、私が話さないと。


「返事だけど……」


「うん」


彼は真剣な顔をして頷いた。





「私なんかでよければ、よろしくお願いします」


彼の目を見て、しっかりと告げる。

彼は驚いたようにえ、と声を上げた。


「本当に?」


「う、うん」




「そっか。本当、すごい嬉しい」



あ、笑った。
彼は照れくさそうに頬を手で掻いている。

赤葦さんのこんな顔初めて見たな。
いつもと違う表情を見て、何か新鮮な感じだ。


「あ」


いきなり、彼が思い出したように言うから、何ですか、と聞くと


「速水、lime交換しよう」


とポケットからスマートフォンを取り出した。

慌てて私もスマホをポケットから取り出す。カバンに入れてなくて良かった。


limeを交換した。母に次ぎ、2人目の友達登録だ。
我ながら、友達登録の数の少なさには悲しくなってくるが、「赤葦さん」という新しい登録を見ると、少し嬉しくなった。


「これからよろしくね」

ふと、隣の彼が言う。



「こちらこそ、よろしくお願いします」


と返したら、敬語はもう使わないで、付き合ってるんだから。と恥ずかしそうに注意された。

結構グイグイくるんだなあ、赤葦さん。

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設定タグ:赤葦京治 , ハイキュー , 梟谷   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:佐津 | 作成日時:2017年10月21日 22時

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