10. ページ10
.
智「……Aちゃん？」
窓辺にうずくまってる、小さな背中。
俺の声にも反応はない。
近づいて、隣にしゃがむ。
智「なんかあった…？」
.
小さな背中が小刻みに震えていた。
A「さ、智さん…っ」
顔をのぞき込むと
声は震えてるけど、涙はなかった。
というより、必死に我慢してる感じ。
智「…Aちゃん…どうした？……」
A「ごめんなさい…っ、なんでもないですっ…」
なんでもないって……
そんなわけないだろ。
智「俺でよかったら話聞くよ？」
そう言ってもAちゃんは「何もない」の一点張り。
智「……」
一瞬ためらった後、俺は手を伸ばし
そっとその背中に置いた。
.
すると、Aちゃんがぴくっと大きく震えた。
「さ、智さんには関係ないです…っ」
続いて聞こえた小さくも鋭い声。
智「ご、ごめっ……」
あわてて手をひっこめる。
．
関係ない…か……
．
「ご…ごめんなさい…でもっ、今は一人にして……っ」
しぼり出すような声でAちゃんは言った。
．
不意に情けなさが胸に広がった。
目の前でAちゃんが泣くの必死に我慢してるのに
なんもできない。
．
話聞いてやることもできない。
大事なことだったら、出会ったばかりの俺に話せないのも、当たり前だ。
．
．
なのに、なんでだろ？
すげぇ悔しい…
．
．
．
…俺、好きなんかもね
．
．
気づかない内に
Aちゃん、好きになっちゃんてんかもね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 17人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みすき - 読んでて大野君の和む感じが出ててこっちまで幸せな気分になれました(^-^) (2014年7月7日 21時) (
レス) id: 6a4a9fa756 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - みすきさん» みすきさん、ありがとうございます！ふわふわしたお話が書きたくて、こんな感じになりました(笑)優しい大野くんがかけてたら嬉しいです。 (2014年7月6日 8時) (レス) id: a51f9daf2f (このIDを非表示/違反報告)
みすき - 大野君の作品も読ませていただきました(^-^)ファンタジーなのに大野君らしさが出てておもしろかったですO(≧∇≦)o (2014年7月3日 23時) (レス) id: 6a4a9fa756 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - むーみんさん» はい(^o^)ありがとうございます！ (2013年10月13日 18時) (レス) id: 610fc30d65 (このIDを非表示/違反報告)
むーみん(プロフ) - ちかさん» りょーかいです！！ではこちらの独断と偏見で←考えたいと思いますwwwよろしくお願いします (2013年10月13日 18時) (レス) id: 57951b5ac7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
