標的401 ページ8
*第三者視線
「ったくアホが!!神経が細えのか太えのか…」
イビキをかきながら寝ているランボを背負う獄寺が愚痴る。ちらっと獄寺はツナを見た。彼の視線に気付いていないのだろう、ツナは少し気落ちした表情を浮かべている。
そんなツナにリボーンはひとつため息を零した。
「おいダメツナ。いつまで了平のこと気にしてんだ?」
「え"っ」
いきなり指摘されツナの肩がびくっと跳ねる。
「いや…あの…その……オレ達は山本やクローム…会長、タマのために……ここへ来たはずだろ?
なのに更にお兄さんを失って犠牲者が増えてる…これじゃ何のためにこの島に来たのか……」
「情けねぇ面すんじゃねぇダメツナ。了平はお前の考えに共感して覚悟してここに来たんだ。お前が折れたらそれこそ何のために戦ったのかわからなくなるぞ」
「理屈はそうだけど!!」
「だからお前はダメツナなんだ。了平の言ったこと忘れたのか?」
(お兄さんの……?)
『お前の誇りを譲るんじゃないぞ』
『お前の感じたままに進めばいいのだ』
『オレは知っている。お前の誇りを!!』
リボーンの言葉にツナは了平が最後に言っていた言葉を思い出す。
「……でも…進めって言われても…オレの誇りが何なのか…」
「そいつは後回しだ。まずは勝つことだけを考えろ」
「!」
「了平の戦いではっきりしたのは生半可な覚悟じゃこれから先勝てねぇってことだ。今勝ってクロームと風琳を救いジョットとコザァートの真相を明かすことだけ集中しろ。
そうすればお前のわからないことも見えてくるはずだ。了平が言うにはお前の中に“誇り”があることは確かなんだからな」
ニッと笑みを浮かべるリボーンにツナは目を瞬いた。その後に少し考えた後、コクリと頷く。
「……うん。わかった」
「ったく世話のかかるダメツナだな」
「なっ!!お前ダメダメ言い過ぎじゃねー!?」
いつもの調子を取り戻したツナに獄寺はほっと息をついた。
「日が暮れそうだな。今日はここらで野宿するしかねーな」
「えーーーー!?ここで〜〜!?めっさ虫が出そうなんだけど!!」
「大丈夫っスよ10代目!!虫除けどっさり持ってきました!!」
そう獄寺はリュックから大量の虫除けスプレーを取り出しにひっと笑った。
……その日の夜。
焚き火を中心に円を描くようにツナ達は寝袋で寝ていた。ツナの寝袋で寝ていたランボだったがもふっとした柔らかな毛の塊が顔に触れ目覚める。
それは可愛らしいウサギだった。
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