標的437《第三者視線》 ページ45
「それで弱いボンゴレを嫌い泣く子も黙る巨大マフィアにしていったんだな」
「実際に私の創ったボンゴレは間違っていなかった。今やボンゴレの強さと富に盾突く愚者はいなくなり無駄なちは流されなくなったのです」
エレナの望み通りボンゴレは弱き者達に平和をもたらしたのだ、と自分は間違ったことはしていないと確信した表情を浮かべるD。そんなDにツナは少し悲しそうな顔をした。
「でもエレナさんは本当に…そんなボンゴレが好きなの…かな?」
「なっ何…!?」
「人を怖がらせたり力やお金を使って支配することに弱い人の気持ちなんて少しも入ってないじゃないか」
「なっ沢田綱吉!!貴様にエレナの気持ちがわかるというのか!!」
叫ぶDにツナは驚きの声を漏らす。エレナさんの気持ち、と呟き思案した後、わかるよ、と静かに告げた。
「な…何だと…?」
「エレナさんはお前に感謝してる」
「!!!」
「ボンゴレの超直感で感じるんだ。エレナさんはお前が自分のことをずっと忘れずにいてくれたことに自分のためにずっと必死に生き続けてくれたことに爐△蠅とう瓩辰董帖
そういってツナは懐中時計に写るDの隣で微笑みを浮かべるエレナを見せた。その優しくも幸せそうな笑みにDは手を伸ばした。
「エレナ…お前を救えなかった私を……許してくれ…!!」
Dの瞳から溢れる涙が頰を伝い、地べたに染みる。しかし、それはすぐに霧となり消えた。ぐあっ、と呻くDにツナは声をあげる。
「お前は生きすぎたんだ D。安心してエレナの下へ帰ってやれ。ボンゴレはツナにまかせてな」
「ちょっ何言ってんだよ!!」
「Dも身をもってわかったはずだ。ボンゴレ10代目候補は確かにダメで情けねえところもあるが心配するほど弱くねーってな」
リボーンの言葉にDはフッと笑みを浮かべた。先程のような嘲笑うものではなく、柔らかいものを。
「何十年ぶりかに眠いと感じる…エレナの気持ちを聞けて…緊張が解けたようです。たとえ、それが沢田綱吉の猿芝居だとしても」
「!!」
まるでツナの心を見透かしたような一言にツナは大きく目を見開く。そんな彼にDは思わずと言った感じで笑った。
「お前のやり方を見せてもらいましょう、沢田綱吉。ただし名を汚すような事があれば許しませんよ。エレナの愛したボンゴレなのだから」
Dは霧となって空へと消えた。
「超直感がウソだってバレてたみたいだ」
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